今日からDeuilは長期休暇に入った。
 ユーリ曰く、「夏休みくらいはあってもいいだろう」とのこと。
 それでいいのか人気バンド。

 しかし元々Deuilは気まぐれなバンドで、以前はもっと休みが多かったのだとか。(アッシュに聞いた)
 人気が出たから今はそういうわけにもいかなくなったんだろうな。

 さーて、やっと皆揃って暇が出来たんだから、どこかに遊びに行こう!


 …と、思ってたのに。





自鳴琴・12
台風
〜停電の話〜





 朝から蛍光灯をつけなきゃならない程の暗さ。
 ザーザーどころか、ゴーゴーと音を立てて降る大雨。
 強風のせいで、窓が割れやしないかと少し心配した。

 ………つまり。

「何だこの嵐…」
 パジャマ姿で、俺は自室のカーテンを開いたまま固まりつつ、呟いた。

 そう、城の外は嵐。
 とてもじゃないが、遊びになんて行ける天気じゃない。

「俺が何したってんだよ・・・・・・。」
 力なく床にしゃがみ込む。

 折角皆で出掛けられると思ったのに。
 Deuilと外出するのは、実はこれが初めてだったりするのに。
 天罰か?天罰なのか!?
 日頃から萌えに萌えてる罰なのですか!?
 いや、MZDみたいな神だったら別に許可しそうなんだけどなぁ…?

 …って、そうじゃなくて。

「…あー、何かヘコむ…。」
 しゃがんだまま、盛大に溜息をついた。


 ***


 着替えてリビングへ行くと、そこにはユーリとスマイルの姿。
 ユーリは、窓際にあるロッキングチェアに座ってこちらに背を向けている。
 本でも読んでるのかな?

 スマイルは、部屋の奥の方でテレビの正面のソファーにだらりと身を預けている。
 チャンネルはニュースに合わせられているが…あれはちゃんと見てるのか?
スマは普段ニュースなんて見ないし。

 アッシュがいないけど、これは毎度の事。
 朝食の準備をしているのだろう。
 …俺はお手伝いさんだが、料理ばっかりはパスだ。
 まともに作れた試しがない。
 よって、朝食時に俺が手伝えるのは皿を並べる事と洗い物をする事くらいである。

 さすが主夫アッシュ。
 寧ろ女の俺が役立たずだ。…掃除とかで挽回するけど。


「ユーリー」
 俺は、スマより近くにいたユーリへと駆け寄る。

「出掛けられないよー…。慰めてー」
 背中から勢いをつけてがばりと抱きつく。
 …瞬間、ユーリはビクリと肩を跳ね上がらせて硬直した。

「なっ、なん、何だ、?」
「何って、何でそんなに驚いてるのさ?あ、そーだ。おはよう」
「あ、ああ……おはよう」
 息をついて、右手で目を擦るユーリ。
 ……あれ?もしかして……

「座ったまま寝てた?」
「そ、そんな事はない」
「ヨダレ出てるけど」
「!」
 慌てて口元を押さえる色白ヴァンパイアさん。

「…いや、俺後ろにいるから見えるわけないじゃん。やっぱ寝てたんだ」
「……寝不足だったのだ」
 罰が悪そうに言うユーリ。
 どうやら朝が苦手なのは、こういう暗い朝でも変わらないらしい。

「あーもー、可愛いなぁー」
 わしゃわしゃとユーリの頭に頬ずりして、うへへと笑う。(腐)

 ユーリの髪を十分にほっぺたで堪能した後、俺はふと顔を上げてスマイルを見た。
 そういえばさっきからスマイルが一言も喋っていない。
 いつもならここら辺で乱入してきて、一緒になってユーリで遊ぶのに。(ぇ)

 まだ寝惚けているのか、髪をぐちゃぐちゃにされたのに何も言わないユーリを解放し、俺はスマイルの座っているソファーへと歩いてゆく。

「スマイルー?」
 テレビとスマイルの間に立って、スマイルの顔を覗き込む。
 スマイルは、寝てはいなかったが目を半分閉じて眠そうにしていた。
 …やっぱりテレビちゃんと見てなかったのな。

「…あ、ー? オハヨウー」
「おはよ。何でスマまで眠そうなんだ? 昨日の仕事キツかった?」
「んー……。それもあるけど、これだけ低気圧だとつらくってー」
「あー、確かに何かダルいなー」

 この天気のせいだろうか?
 かなり悪天候のようだし。

「今日中に晴れないかな?」
 後ろにあるテレビを見てみる。
 …勿論、そんなに都合良く天気予報なんてやってるわけはない。が、

「これって…前に俺がミミニャミ達と行った街…?」
 画面ではニュースキャスターと思しき女の人が、ンコートを着てマイクを握っている。
 強風のせいでンコートはバサバサと煽られ、声も届きにくい。
 そして背景には、以前行ったことのある街。

 実は、「歪み」を越えて街へ行ったあの日から俺はここを出ていない。
 人気バンドメンバーの住む区域に知らない奴が出入りをしているのが知れれば、Deuilに多大なる迷惑をかけてしまう事は必至だからだ。
 まぁ、出ていないと言っても広大な庭や森を含んだ土地の中から、ということなので飽きはしなかったが。

 服等は皆に仕事の合間の暇な時に買ってもらったり、神に貰ったり。
 これだけしてくれて本当にありがたいと思ってるよ、本当。

 …って、それは置いておいて。
 テレビの中のニュースキャスターは何かとんでもない事を言ったぞ?

『只今、台風5号は人間界西部に上陸しています! ご覧下さい、もう、風が凄…きゃぁっ!!』

 キャスターさんは、飛んできた新聞紙に顔をバチャッと叩かれ、慌てている。
 画面上の方では、「1時間後 メルヘン王国北部に到達する予定だ!!」と、まるで「プレゼントのお知らせ」とかみたいなテンションのテロップが右から左へと流れる。

 …あのー。
 これってもしかして……

「凄い台風発生中・・・・・?」

 え…っていうかこの城ってメルヘン王国北部にあるんじゃ…?
 ちょっと待て。今テレビに映ってるこれが1時間後にここに来るのか!?

「スマ、ヤバいって! 窓とか大丈夫なのか!? 雨戸雨戸っ! ついてないなら板打ちつけないと!」
「ヒヒヒ、何もしないのもスリルがあっていいかもね」
「えーっ!?」

 いくら何でもそりゃヤバいだろ!
 風速17mとか言ってんぞ!?

「ユーリっ! 寝惚けてる場合じゃないって! 早く何か手を打たないと」
「…む…、朝食か?」
 顔を上げて小首を傾げるユーリ。
 あぁっ、可愛い…可愛すぎるよユーリ様…!!
 何気にお腹減ってるんですね…!!

 いやしかし、今はそれ所じゃない。
 俺は高ぶる萌えを何とかガタガタ拳を震わせるのみに抑え、深呼吸をした。

「ユーリ、ナイスボケー」
 スマイルが親指をグッと立てる。
「でも朝はちゃんと食べとくか。即行で食べれば何とか…」


 ……って、そういえばこの時間だと料理は既に出来上がってるよな?


「ヤバっ!!料理並べるの、俺の仕事なのに終わってたらどうしよう!?」
 俺は、ダイニングに繋がるドアへと走る。
 急いでダイニングへと入り、その奥にあるキッチンへのドアを目指し、また走る。


「忙しいねェ…ヒヒッ」
 リビングでスマイルが、一人笑った。


 ***


 朝食後。
 結局俺は皿洗いしかできなかった。…あぁ、少ない仕事が…。
 しかもこれからしばらくはDeuilが休みでアッシュもいるし、仕事量は更に減る。
 …頑張らないとまたアッシュに仕事減らされる…。
 優しすぎるよアッシュ。


 ちなみに窓とかの補強については、必要ないらしい。
 前回大きな台風が来た時に、城の窓ガラスを全て割れにくいものに替えたのだとか。
 すごい財力だ…。
 てか、ガラス屋さん大変だっただろうな…!!(そこか)

「あー、凄い暴風雨だなー」
 リビングのソファーに座りながら、窓の外を眺める。
 雨は滝並み、風は恐ろしいまでに吹き荒んでいる。
 ついでに雷まで落ち始めていた。
 …いよいよ台風が来たか。

 現在、俺を含めた全員がリビングに集合している。
 そしてアッシュによる最終確認がなされた。

「皆、自分の部屋の窓は閉めてあるっスね?」
「はーい」
「大丈夫だ」
「オッケー」

「鍵もかけたっスね?」
「うん」
「さっき行ってきた」
「だいじょぶだいじょぶー」

「ショートして困るような精密機械の電源も落としたっスね?」
「ういー」
「ああ」
「ていうかこの城にそんな近代的な代物があるのか?」
「それは禁句」

「懐中電灯は用意できてるっスか?」
「「「あ・・・」」」
 アッシュ以外の3名は固まった。(俺含む)

「僕、そんなに重要じゃないと思ってスルーしてたよ」
「俺はすっかり忘れてた」

「停電が起こるかどうかは分からないが、準備しておく事に越した事はないな」
「えーっと…どこにあったっスかね」
 確かこっちに…とリビング内にある木の棚の方へ歩いていくアッシュ。

 と、その時。


『ガラガラドッシャーンッ!!!』
「ひぎゃっ!!」
「わっ!!」



 一際大きい雷が落ちて、窓がビリビリと震える。
 続いて、俺とアッシュの声。
 それから間髪入れずに、

「うわ!」
「電気消えたよー」
「停電っスー!」
「言った傍からか…。」

 ふっと城の明かりが全て落ちる。
 朝だからそんなに真っ暗ではないが、外が嵐なので薄暗い。


「確かここら辺に…」
 棚を漁って、まだ懐中電灯を探しているアッシュ。

「見えないほど真っ暗じゃないから、別に懐中電灯なくてもいいんじゃないか?」
「いや、ブレーカーを確かめに行くんスよ」
「廊下はロウソクで照らしてるけど、ブレーカーがある部屋の光源は蛍光灯だからねー」
「なるほど」
 その場でじっとしておくには別に何も不便ではないが、ブレーカーを確認するのにこの暗さでは難しいものがあるだろう。

「あった」
 アッシュは短く言い、円筒形の大きめなそれを棚から引きずり出す。懐中電灯だ。
 一度電源をオンにして、明かりがつくのを確認してから切った。

「じゃ、行ってくるっス」
 懐中電灯を引っさげてリビングから出て行くアッシュ。
 スマイルと俺は「いってらっしゃーい」と右手を振った。

 …って、しまった!俺もついていけばよかった!
 城の中身のまだ知らない部分を覚える良い機会だったのに。
 アッシュまだ近くにいるよな?

「アッシュー!」
 呼んで、リビングを出ようと一歩前に出る。
 しかし、駆け出そうとする直前にスマイルが俺の服を引っ張った。

「は行っちゃ駄目ー」
「何で?」
「暇つぶしに付き合ってもらうから☆」
 良い笑顔で親指グッと立てるスマさん。
 暇つぶしかい。

「いや、でも城の事少しでも覚えたいし…」
「そんなの僕がいつでも案内するからさ、早く遊ぼー」
「わっ」
 スマイルは俺を強引に連行して、ソファーに座らせる。
 しょうがないな…。ま、実際暇だし仕方ないんだろうけど。

「…んで、何するんだ?」
「んー…、」
 …おいおい、考えてなかったのか。

 スマイルは、唸りながら俺の隣に座る。
 ちなみにユーリはいつもの席(ロッキングチェア)に座っている。

「ユーリも参加するのか?」
 俺がユーリに向けて声をかけると、
「遠慮する」
 と言って腕と脚を組んで首の力を抜いた。
 …寝るつもりか。
 さすが、バンドを組む前200年も寝ていただけあって寝るのは好きらしい。

「えー、ユーリ参加しないの?2人になっちゃうじゃん」
「まだ遊ぶ内容も決めてないのにそうむくれんなって。2人で遊べるの何かないか?」
「んー」

 考え込む事数秒。
 俺も考えていたが、先に何かを思いついたのはスマイルだった。

「じゃ、夏だし百物語とか!」
「いやいや待て待て、一人当たり50話も話す事になるぞソレ」
「あ、ほんとだ」
「第一、妖怪のスマが怪談なんてして楽しいのか?」
「ううん、あんまりー。知り合いに幽霊いるしね」
「だろうな」

 この世界では種族とか全く関係ないみたいだしなぁ。
 そういう意味ではこの世界って理想郷なのかもしれない。


 百物語が却下されたので、スマイルはまた数秒考える。
「なら、しりとりとかやってみる?」
「これまたシンプルな遊びが出てきたもんだなー」
「どうする、やる?やらない?」
「折角のスマからの挑戦だ、受けて立とうじゃないか!」
「よし、じゃあただやるだけじゃつまんないから、罰ゲーム決めようか」
「罰ゲーム?」
「うん。負けた方が勝った方の言う事1つ聞くとか」
「えー…」

 それって俺が負けたら、相手がスマなだけに何言われるか予測不能で恐いんだが。
 アッシュならそんなに怖い事は言わない気がするけど、スマはそういう所手加減しなさそうだし。

 …いや、待て。
 裏を返せば俺が勝ちゃスマに何か命令できるって事か!?
 ふふふふふ、これはおいしい、おいしいぞ・・・!!(邪)

「OK!じゃあそれでいこう!」
「ヒヒヒ!から始めていいよー」

 俺は「おう」と返事をして、気合いを入れた。
 絶対勝つ!
そしてスマにあんな事やこんな事をさせてやる・・・!(命令は1つだけですよ)

「手始めに『しりとり』」
「『りんご』」
「『ゴリラ』」
「『ラッパ』」
「『パイナップル』」
「『ルビー』」

 …何だか懐かしい配列が出てきたぞ。
 ちなみに次は俺の番だ。

「『インコ』」
「『婚礼』」
「…何かいきなり雰囲気が違う単語使ってくるなー」
「ヒッヒッヒ、次早く早く♪」

 …また『い』か……。
 何かあったっけ。

「『依頼』」
「『引退』」

 また『い』かよ。

「スマ…わざとだろ」
「ヒヒヒヒヒ!考える時間は10秒だから早く早くー」
「それ今考えたな!?」
「いいからいいから♪」
 あんまりよくない。

 …こうなったらこっちも同じ作戦でいくか。
 長考させても勝てるって事だし。

「『遺骸』」
「『異世界』」
「『遺戒』」
「『板材』」
「『生き甲斐』」
「『胃』」
「『遺影』」
「…、何だか暗い単語になってきてない?」
「え?そうか?」

 思いつくものを言ってみてるだけなんだが。
 俺は今そんなネガティブ思考じゃない…はず!(はずか)

「次、スマ!早く!」
「ハーイ」

「『医大』」
「『居合い』」
「『伊勢海』」
「…どのイセカイ?」
「海の方だよー」
「あー。で、次俺か」

 えーと…あと何かあったっけ…。
 脳ミソをフル回転させて考え始める。


 ***


 10分後。
 しりとりはまだ続いている。
 ちなみに語尾は『い』で。

 しかし俺は語彙力がそんなにないのでそろそろつらくなってきた。
 いい加減『い』から離れればいいんだろうが、ここまでくると最早意地だ。
 何だか『い』から離れた時点で負けになる気すらしてくる。

「えーと…んーと…、『隠蔽』!」
「『委託販売』」
「うー………、い、『已然形』っ」
「『一期末代』」
「あーくそっ!!何でそっちそんなに余裕なんだよ!しかも四字熟語だしよ!」
「ヒヒヒヒヒ!」

 スマって結構凄いのかもしれない。
 …いや、生きてきた時間の違い?妖怪だし。
 しまった、そこら辺のハンデつけてもらうの忘れた!
 けど、今更そんなの申し立てると負け惜しみみたいで嫌だ。

「いー…いー……………あーもー、何かあったっけ…!」
「5秒経過ー」
「うあー!!」

 もう思いつかない…!
 けどこのまま勝利を諦めるなんて嫌だ!!
 スマにさせたいことは山程あるのに!(だから命令は1つだけだって)

「はーい8秒経過ー。このまま負けるのカナー?」
「あああぁぁっ!!くそっ!!い、『異世界』!!!」

 よっしゃ、言った!!
 次はスマだ。スマが言うまでに何か考えないと…!

 が。


「はいブッブー。の負けね」
「えっ!?俺ちゃんと言ったっ…」
「『異世界』は僕が前に言ったもんね♪」
「嘘ぉ!!?」
「嘘じゃないもん。さーて、罰ゲーム発動だよー」

 くっ…!迂闊だ…!!そういやスマが『異世界』って言ったの聞いた気がするよ。
 俺はスマがいる方向とは反対の方向に倒れこんだ。
 ソファーのスプリングが派手に軋む。

 と、その時。


『ガチャッ』
「ブレーカーは落ちてなかったっスから、多分もう少しで電気は戻るはずっスよ」

 アッシュ帰還。
 そしてリビング内の光景を見、「…何があったっスか」と引き気味に言った。

 それもそのはず、ユーリはイスで熟睡してるし、スマイルは異様に楽しそうにしてるし、俺は逆に物凄い沈んでるし。

「しりとりに負けたー」
「僕は勝ったのー」
「はぁ…」
 曖昧な返事をし、アッシュは首を傾げる。

「ヒヒッ、何させるか迷うなぁ」
 嬉々とした声で俺に言うスマイル。
 あぁくそう、何言われるか今物凄い恐いよ!

「早くしろよ…」
「そうだなぁ…、これはどう?」
「ん?」

 俺は、体を起こしてスマの方を向く。
 アッシュが俺達の座っているソファーの後ろを通って懐中電灯を棚に戻した。

「台風が過ぎたら海に行くから、その時にかき氷奢ってよ」
「…え?」

 俺は思わずスマを凝視した。
 …蛍光灯がパッと明るさを取り戻して、アッシュが「電気ついたっスね」と言ったけど、それにも一瞬頭がついていかなかった。

「それだけ?」
「それだけって…どんなの想像してたのさー」
「いや……、」
 正直鬼や悪魔のような命令かましてくるのかと。

「けど俺の持ってる金ってカードだけだぞ?」
「あのカードなら別に機械を通さなくても支払えるタイプだから、どこでも使えるよ」
「(そうなのか…)本当にそれでいいのか?」
「それ以外がいいなら考えるけど」
「いやっ、いい!それでいい!」
「じゃ決定ー」


 ふぅ、何とか命拾いした。
 けどスマに命令はできなかったよ・・・。無念。

 あー、今日出掛けられなかったけど、この嵐が過ぎたら海に行くのか。
 それは嬉しいなぁ。

 俺は窓の外で風が暴れまくっている様を見た。
 早く過ぎないかな。

 海といえばやっぱ水着だよな!
 Deuilもやっぱ水着着るのかな。
 てか、着ないなら着せるけど。

 アッシュとか水泳得意そうだなー。
 ユーリは日焼けするのが嫌いとか言ってたから、パラソルの下か?
 うーん、じゃあ水着写真でも撮るか。
 スマイルは一緒に遊んでくれるかも。

 妄想を膨らませる俺。
 ふふふふふ、これはこれでいいじゃないか!
 水着Deuil…うふふふふ…!!!


 ・・・・・。
 ・・・・・・・・・。
 待てよ?
 水着?


 俺は、はっとする。
 隣でテレビをつけて何か見始めるスマイルをよそに、意識を別の所に飛ばした。

 3人が水着着るって事はやっぱり俺も着ないと不自然…だよな?
 男用を着る?いやいや、上にさらし巻いてたら怪しさ大爆発だ。
 女用を着る?いやいや、それじゃ変態だ。(本来なら適切なはずだけど)

 ど…どっちにしても不自然極まりない・・・!

 どうすりゃいいんだ。
 とりあえず海に行くのはやめたくない。
 やめたくないけど、どうすれば…。


「どうしたんスか?。何だか顔色が悪いっスよ」
「いや…、何でもない…」

 気のない返事をしながら、俺は青ざめているのだった。



 外の風が、少しずつ弱まっていく。





〜To be continued〜




<アトガキ。>

何だか物凄く時間のかかった文章です今回。なぜだ。
ちなみにスマは妖怪ですがこのサイトではそんなに長生きしてません。
設定考えてたらそんな風になっただけですけどね。(元は長生き設定でした…)
ってことはスマの単語力は元からなのですねー。

てなことで、次回は海へ行く話です。
Deuil以外も登場させる予定ですよ。

それでは、また次回でお会いしましょう。

2005.8.9



-----------追記--------2015.5.14
長生き設定じゃないとか抜かしながら、最後のほうでわりと長生き発言してしまいましたのでお詫びにきました(笑)
あんまり関係ないですが設定ブレすんません!
最初から読み返したはずなんですが、全部は頭に入りきらなかった模様。再び読み返して驚いて変な声出てしまいました。
なんも考えてないのバレバレですね(笑)
以後気をつけます。