another world story
〜pop’n&smash〜
第12話






 町を出て数時間歩くと、地面に砂が混じり始めてきた。
 そういえば心なしか太陽の光も強まったような気がする。

アッシュ「…町から出て何時間かしか経ってねぇのに、ムチャクチャな気候っスね…」
リンク「町は普通の温度だったのに…」
スマイル「ま、そういう世界だし」

ニャミ「でもこれはまだ良い方だよ。本当に暑いのはここからだもん。」
スマイル「そっかー。じゃあこれからが大変かもねー。」

 ニャミの一言に笑いながらそう返すとスマイルは後ろを振り返る。
 そこには既に歩くペースが遅れ始めた2人の姿がある。

ロイ「暑い…もう町に戻りてぇ…。」
ユーリ「………。」
フォックス「…大丈夫か?」

 明らかにそこだけ空気が重くなっている2人にフォックスが声を掛けるが、返ってきたのは「暑い」と沈黙だった。

マルス「ロイ頑張って。まだ若いんだから。」
アッシュ「(そういう問題っスか…?)」
 決してふざけている様には聞こえないマルスの一言にアッシュは心の中でのみ突っ込む。

リンク「そういえば、ユーリさんも暑さには弱いんですか?」
 無言のまま歩き続けているユーリを見てリンクが傍にいたスマイルに尋ねる。
 ロイ程あからさまではないにしろ、嫌がっている事ははっきりと分かるからだ。

スマイル「暑さ…っていうよりは光かな?ほら、ユーリは吸血鬼だからあんまり強い日光を浴び続けると灰になって消えちゃうんだよ。」
リンク「えぇっ!?た、大変じゃないですか!」
スマイル「そーなんだよ。だから早く欠片が見つからないと大変…。」

ムラサキ「その位にしておきなさい。」
 どこまでも楽しそうに話すスマイルと本気で顔が青ざめているリンクを見かねてムラサキが話を遮る。

リンク「え?」
ムラサキ「嘘よ、それ。大体もしそうならこんな所に連れて来ないわ。」
リンク「あ…確かに。」
ムラサキ「あなたも。あんまりからかわないの。」
 納得、という風に頷いたリンクを見て、今度はスマイルに向き直る。

スマイル「ヒヒ。だってここまで素直に信じられるとつい、ね。それに全部が嘘って訳じゃないし。」

アッシュ「ユーリは確かに、種族柄日光が苦手なんス。まぁ、嫌悪対象程度っスけど」
ニャミ「あ、そういえばユーリの肌真っ白だから、焼けたら痛くない?」
アッシュ「それもあるっス。で、暑いのも嫌いなんスよ。そっスよね、ユーリ」

 話を振るが、ユーリは話の「は」の字すら右耳から左耳に流しているようだった。
 ちなみに、日焼け対策に関しては全員長袖長ズボン(ムラサキは着物の上にフード付きのローブ)を着用。日焼け止め塗布済み。

 とりわけユーリは凄い。完全防備だ。
 上記の事以外に、サングラスをかけて手袋を嵌め、隙間を埋めるように包帯が巻かれている。

スマイル「これじゃ僕よりユーリの方が透明人間っぽいよねー」
フォックス「…論点はそっちなのか」

 舗装を施されていない土地を歩きながら、とりあえずツッコむべき所をツッコんで前方を見る。…何も無い。
 少し乾燥した地面が砂を雑じえつつ広がるだけで、あとは時たま細い木が生えているのみ。
 確実に砂漠へ近付いている。
 後ろへ振り向けば、遥か遠くに緑の山がぽつぽつと見える。もうすぐ見えなくなりそうだ。

ロイ「なぁ、暑いから脱いでいいか?」
ムラサキ「じわじわと丸焼きになりたいなら、そうなさい」
ロイ「………」
 ロイは、自分が豚の丸焼きならぬ人間の丸焼きになっている姿を想像して、閉口した。

マルス「とはいえ、暑いよね…」
ムラサキ「昼前だから、まだましよ。昼を過ぎたら休みましょう」
リンク「一番暑い時に休むんですね。…ロイさん、ユーリさん、それまで頑張って下さい」
ロイ+ユーリ「………」
 返事は無かった。






 すっかり無気力になったユーリに何とか出して貰った大きなテントで、一行は休憩していた。
 大きいとはいえ、この大所帯だ。テントは3つ。それぞれに分かれて入っている。

 昼を過ぎて、今は西日が強い。
 日が暮れて気温が下がってから移動を再開する予定で、現在は自由時間。
 …尤も、この暑さでは誰も遊ぼう等という気を起こさない為、もっぱら寝転がってじっとしているのみだが。

ロイ「……暑い…。誰か扇風機とクーラー…」
フォックス「いや、電気が無いぞ」
ロイ「ピチューかピカチュウ呼んでくれば…」
リンク「居ませんよ…」

 元の世界に居るはずの仲間は、ここには居ない。
 そもそも、扇風機やクーラー自体ここに無い。
 隣のテントに居るユーリだって、いくら何でも魔法でクーラーは出せないだろう。買っていないのだし。

 このテントに居るのは、リンク・フォックス・ロイ・マルスの4名。
 適当に分かれた所こうなっただけだが、残り二つのテントには、片方に女子二名、もう片方にユーリ達三人組が入っている。

マルス「テントの入り口開けても、無風だしね…」
 じっとしていても汗が出るが、じめじめとした湿気は感じない。乾いた暑さだった。
 外は、土が見当たらない砂だらけの地。既に砂漠へ入っているのだ。
 慣れようも無いような暑さが纏わり付く。

 ロイと同じく暑さの苦手なユーリは、今どうしているだろうか。
 リンクは少し考えて、死体の如く無気力に転がっているのでは、と僅かに心配した。


 …そしてそれは的中していた。
 濡れタオルを頭に載せて、体中の力という力を抜いて寝転がっているユーリ。まるで死体だ。

アッシュ「…ニャミさんは『一週間は町も村も無い』って言ってたっスけど、こんなとこ一週間も歩いてたら干からびちゃうっス…」
スマイル「その前にユーリが本当に灰になっちゃう方に500円ー」
アッシュ「…賭けじゃねぇんスから」

 ロイ達の居るテントの隣のテントで、同じ位だらけている三名。
 ユーリは最早口を開こうともしない。

アッシュ「ユーリ、夕飯時になったらちゃんと食材出して下さいよ。昼なんて出す食材3回も間違ったんスから」
ユーリ「………」
 種族のせいか、体力のあるアッシュを、ユーリはこの時かなり羨ましく思った。


 ――そして同じ頃、この隣のテントに居る女子2名は……

ニャミ「う―――ん、寝苦しいよ…」
ムラサキ「夜に歩くんだから、ちゃんと休んでおきなさい。…砂漠の夜は昼と打って変わって冷え込むから、もう少しすればちょっとの間は快適かもしれないわ」
ニャミ「本当にちょっとの間だけだろうけどね…寒くなるし」

 広いテントの中をごろごろと転がって、寝そべったままテントの入り口を開くニャミ。
 外では、夕陽の色を吸い込んだ砂が朱に輝いていた。

ニャミ「でも、そういえば昼間よりはマシかも。砂漠に来るの久しぶりだから何か懐かしいなぁ」
ムラサキ「懐かしい、というのも何だか変な話ね。親しみも何も無い土地だもの」
ニャミ「うーん。まぁね」

 ゆっくりと陽が落ちる。それと共に、気温も落ちて行くのが感じ取れた。
 集中しなければ分からないくらい、ゆっくりと。

ニャミ「…そろそろ夕御飯の準備した方が良いね。夜の行動を早くする為に」
ムラサキ「気温も、太陽が落ちきれば一気に下がるわ。それまでに火を起こして、落ち着けましょう」
 一番まともな会話をしているのは、この2人だけだったという事に、誰一人気付かなかった。






リンク「寒いですね…」

 一行は満天の星空の下、夕食を摂っていた。
 バーベキュー用の炭に火をつけて焚き火にして、暖を取りつつ光源にしている。
 それを囲むようにして砂上にレジャーシートを敷いて座り、サンドイッチにぱくつく。

アッシュ「夜は厚着をした方がよさそうっスね」
フォックス「後で何か着てくるか…」

ロイ「そうか?俺は超適温って感じだけどな。」
 焚き火に手を当てながら呟く面々にロイが意外そうに口を開く。
 その様子は昼間とは比べ物にならないほど元気そうだ。

ムラサキ「適温…ねぇ。」
ロイ「あぁ、俺暑いのは全然駄目だけど寒いのは平気だからなっ。」
 その言葉に「両極端な…」と、珍しくユーリが突っ込んでいるのが聞こえ、マルスは小さく笑みを零す。

 砂漠の夜の寒さは、一般の人々が考えているよりも厳しいものだ。
 少なくとも「超適温」と表現するには無理がある気温だろう。
 ロイはつくづく隠し事が下手だと今度は苦笑する。

マルス「(でもまぁ…今はこっちの方が大変かな?)」
 ふ、と視線をロイからリンクへとずらす。
 そしてそのまま空を見上げた。

マルス「…夜が来た。」
 その言葉に応えるかのように焚き火が一度、パキンと鳴った。



 ***



クレイジー「…難しいなぁ。」

 うっすらと頼りない明かりが点る部屋の中にクレイジーのぼやく声が響く。
 そして目の前にあるつぎはぎだらけの黒い塊を見て溜息を1つ。

クレイジー「俺って図工とか美術の成績つけられたら絶対『1』なんだろうなぁ…ちょっとヘコむかな。」
 口ではそう言っているが、声色や表情からはそんな様子は感じられない。
 寧ろ、楽しんでいる様にも聞こえる。

クレイジー「…ま、仕方ないけど。俺は『壊す者』であって『創る者』じゃないし。」
 ねぇ、お前もそう思うだろ?
 クレイジーに話しかけられ、黒い塊が微かに蠢いた。



 ***



ニャミ「さて、と。もうそろそろ出発する?」
 夕食を終え、各々の時間を過ごしていたが、ニャミのその一言で一同は腰を上げ始める。
 …いや、正確には1名を除いて、だ。

スマイル「あれ?どしたの?」
 1人困った顔をして座ったままのリンクに気付き、スマイルが声を掛ける。

リンク「…出発って、やっぱり遅く出来ませんよね。」
スマイル「へ?」
ユーリ「具合でも悪いのか?」
リンク「いいえ、ただ……。」

 歯切れ悪く答え、リンクはフォックス、マルス、ロイの3人を見る。
 それを不思議そうにユーリ達が目で追いかけると、マルスとロイは困った様に笑い、フォックスは軽く首を振っているのが見えた。

アッシュ「一体、どうしたっスか?」
フォックス「いや…。なぁリンク、もうこれ以上は無理だろ。」
ニャミ「え?無理…って何が?」
 フォックスの言葉の真意が掴めずリンクを振り返ろうとした瞬間。

アッシュ「うわっ!」
ニャミ「きゃっ、何!?」
 キーン、という高音と共に辺りが一瞬光に包まれて思わず一同が目を閉じる。
 そして再び目を開いた時に見たものに、ポップン界の面々は自分の目を疑った。

リンク「……こういう事ですよ。」
 そう言うリンクの姿は先程までの青年の姿ではなく、まだ幼い――恐らく10才前後だろう――少年の姿だった。

ユーリ「一体…どういう事だ?」
リンク「これが私の本来の姿です。」
 どこと無く嫌そうに言うリンクに真っ先に反応したのはニャミだ。

ニャミ「じゃあ、今までのは…?」
リンク「…未来の姿…って所ですよ。アッシュさんの様に私も2つの姿を持ってるんです。まぁ、私がこうなるのは夜の一定時間ですが。」
スマイル「へぇ…ちょっとビックリしたなぁ。でも、それならどうして言ってくれなかったのさ?」
 前日の夜、少し様子がおかしかったのはこのことを隠す為だったのだと気付き、しかしそうする意味が分からずに問う。

リンク「……言わなくて済むなら言いたくない事って…ありません?」
 答えながら一瞬、ふ、と表情が消えたような気がしてアッシュが首を傾げる。
 しかしその事に関して口を開く前にロイが笑いながら口を開く。

ロイ「あるある。ま、いーじゃねーか。黙ってたからどうって訳じゃないし。それに困る事って言ったら剣が使えない事位だろ。」
ムラサキ「…ちょっと待って。剣が使えない?」
 さらりと言われた内容にムラサキがすかさず口を挟む。

 それに対してしゅん、としてしまったリンクの代わりにフォックスが説明する。
フォックス「今のリンクの体じゃ、いつもの剣はでかすぎて扱えない。小さめの剣があればと思ってたんだが…町に武器屋は無かったからな。」

ニャミ「それって結構どうって事あるよね…」
スマイル「僕の短剣貸そっか?」
リンク「いえ、まだ弓を使えますし…」
ムラサキ「持っておいた方がいいわよ。これからまた、いつモンスターが現れないとも限らないのだし、接近戦に持ち込まれたら厄介だわ」
 ムラサキが言い聞かせると、リンクは盛大に溜息をついて、スマイルから短剣を受け取った。

 短剣が嫌、というよりは寧ろ“この状況が嫌”らしい。
 余程今の姿を知られたくなかったのか、それとも別の何かが理由なのか。
 それは判別がつかなかったが、とりあえず一定時間は戦力が変化するという事が分かった今、移動時は警戒して歩かなければならないだろう。

 先日、洞窟で危害を加えてきた男――ビトレイは、こちらの事を「邪魔だ」と言っていたのだ。また同じことがあってもおかしくは無い。
 …何をもって“邪魔”で、何故攻撃を仕掛けてくるのかは謎だが。

ユーリ「…さて、今の気温で進まないわけにもいくまい。行くとするか」
アッシュ「ムラサキさん、方角を確かめて下さい」
ムラサキ「ええ」

 懐から通信鏡を取り出し、裏返してスイッチを入れる。
 光の線が示した方角を確認した。

ニャミ「この方角なら…2日くらい歩けばオアシスに着けるかも」
 スイッチを切って再び懐に通信鏡を仕舞うムラサキを視線で追いつつ、ニャミは頭の中で地図を広げた。

フォックス「本当か?それは助かるな」
ロイ「よっしゃ、オアシス目指して歩くぞー!」
フォックス「いや、目的はあくまで『欠片』だから、方向が狂うようなら行かないぞ」
ロイ「分かってるって!」
フォックス(本当か…?)
 半目になって疑うが、ロイは気付かなかった。

ユーリ「では、荷物を仕舞って出発するか」
 腰を上げて、テントもろとも魔法で荷物を仕舞いにかかるユーリ。
 以前ユーリは「大き過ぎるものは仕舞えない」と言っていたが、これだけ大きなテントでも大丈夫らしい。

マルス「…リンク、大丈夫?」
 不意に小声で問われ、リンクははっとして顔を上げた。
 上げた視線の先には、真剣な表情のマルス。

リンク「……ええ。一緒に旅をしている以上、いつかこうなる事は分かっていましたから」
マルス「無理しないようにね」

 それでなくてもリンクは気を張りすぎる傾向があるんだから、という言葉は呑み込んだ。
 呑み込むまでに「はい」と頷くリンクに…マルスは思わず苦笑した。




 焚き火を消して、夜の砂漠を歩き始めた。
 暗いかと思いきや、月の光が想像以上に明るい。これならメンバーの顔くらいは楽に見える。
 懐中電灯は必要なさそうだ。

アッシュ「これでモンスターが現れる可能性が無ければ、作曲できそうなくらいロマンチックなんスけどね」
フォックス「作曲なんてまた話が飛躍したな」
スマイル「ヒヒヒ、僕らの本業はバンドだから、それはしょうがないでしょー」
フォックス「ああ、なるほど」

 砂の山々を越えながら、時折ムラサキが通信鏡で方角を確かめる。
 砂漠での行動は、進む方角を見失いやすい。
 方角を見失えば砂漠から出られなくなる為、これは重要なポイントだ。

ニャミ「寒いなぁ…」
ユーリ「寒い」
 二人が同時に言って、アッシュとフォックスはこちらもほぼ同時に「何か着るか」と尋ねた。
 尋ねられた二人は少し考えて、着る事にしたらしく、魔法で荷物から取り出した服を着込んだ。

スマイル「ヒヒッ、丸きり『お母さんと子供達』だねぇ」
ユーリ「何か言ったか?」
スマイル「べっつに〜」
 笑って先を歩くスマイルと、少しムッとするユーリとニャミ。

ムラサキ「ほら、ケンカしてないでちゃんと歩きなさい。そんな事で体力を消耗していると砂漠なんて越えられないわよ」
ニャミ「まぁ確かに…今日を含めて一週間も歩くんだもんね」

ロイ「そういえば、『一週間歩かないと、町も村も無い』って言ってたよな?じゃあ、一週間歩けば町か村があるって事か?」
ニャミ「そうだよ。砂漠に面した町があるの。大きい町だから、このまま歩く方角が狂わなければ絶対着けるよ」
ロイ「へぇー」

 この道らしきものが全く無い砂漠を徒歩で抜けても必ず辿り着けると言うなら、相当大きな町なのだろう。
 一行に希望の光が差した……気がした。

マルス「…その町に行くには、まず進まなきゃね」
アッシュ「そっスね…」
 一週間は長い。しかも砂漠。悪条件の連射まっしぐらである。

フォックス「これじゃ、ついてるんだかついてないんだか…」
ムラサキ「あら、この辺はまだましよ?追い剥ぎや盗賊が出たって話、聞かないもの。治安が悪い所ではその心配もしなきゃならないから大変よ」
スマイル「僕らが戦闘準備をして城を出たのは、本来はそういう理由。モンスターが出るなんて後から知ったから、僕の武器はちょっと不利だよねェ」
 ナイフじゃなくて小刀を持って来れば良かった、と少し笑いを含めて冗談のように言うスマイル。

ロイ「まぁ、確かに洞窟の時みたいに大型のモンスターを相手にするにはナイフじゃ難しいよなぁ」
マルス「僕らはどっちにも向いてるけどね」

 踏み締める度にサラサラと崩れる砂の上を歩く。
 まるで足が呑み込まれるようだ。
 歩きながら再びムラサキが方角を確かめて、少しだけ軌道修正をした。

 そんな中、フォックスはふと後ろを振り向く。
 そこには、最後尾を歩くリンクが居た。
 フォックスは僅かに歩調を緩めて、リンクの隣に並んだ。
 そして、先程から会話こそ聞いている様だが全く口を開いていないリンクの心情を思って、黙って隣を歩いた。

 危険を伴う旅でなければ、リンクもまだ楽で居られただろうに。
 しても仕方の無い仮定と後悔をして、フォックスは先頭のメンバーを見た。
 まだ、会話は続いていた。






 休憩を取りながら歩いて、やがて日が昇り始めた。


ニャミ「何だか明るくなってきたね。」
ロイ「…って事はこれからまた暑くなるのか…ずっと夜ならいいのにな。」
フォックス「それはお前だけだろ。」

 同意を求める様に投げかけられた言葉にしっかりとツッコミを入れてからフォックスは溜息をつく。
 こう「暑い」と「寒い」ばかりを繰り返されては、その内誰かが倒れてしまうのではないかと心配になってくる。

スマイル「何て言うか…どこでもドアー!とか欲しいよね。」
アッシュ「どこの世界の道具っスか、ソレ…。」
 呆れた様に尋ねてくるアッシュに「秘密♪」と超爽やかな笑みを返すスマイル。
 その様子にマルスが「名は体を表すってこういう事なんだ」と感心しながら呟いていたのに気付いたのは幸か不幸かムラサキだけだった。

ムラサキ「方角は…このままでいいみたいね。今日もこのまま歩いて、日差しが強い時に休みましょう。」
ユーリ「あぁ…そうだな。」
ニャミ「もうっ!あからさまに嫌な顔しないの!ほら、ロイも。」
ロイ「分かってるって。けど嫌なもんは嫌なんだよ。なぁ。」
リンク「え?あ、はいそうですね。」

 愚痴るように話を振られ、リンクは一拍遅れて頷く。
 その姿は子供ではなく、本当の(とは言っても子供の姿が本当なのだが)姿に戻っていた。
 時計を見ながら歩いていた訳ではないのでアッシュ達にはリンクの言う「一定時間」がどれ位のものなのかは分からなかったが、あまり長い時間ではないようだ。

マルス「大丈夫だよ。昼の次はまた夜が来るんだから。」
ロイ「…いや、それはそうなんだけどな。」
 マルスの正論だがどこかズレている一言に、ロイが疲れたように頷く。
 それを他のメンバーは苦笑しながら見るのだった。






〜To be continued〜




<幻作の呟き。>

砂漠編はちょっと長くなりそうです。
忍び寄る戦闘シーンのかほり。暑さにへばる2人。そして明かされたリンクの秘密。
うーん、物語的にあんまり進展が無かったですけども、やはり書いてて楽しかったです。(毎度言ってる気がするぞ)
さて次回、私が頑張った戦闘シーンとなりますー。

UPした日:2007.3.5



それでは、ここから先はいつもの様にリアルタイムのアトガキを。
ちなみにネタバレになるような部分等は例によって消しておきますゆえ。


<リアルタイムなアトガキ。>

闇:前回長めだったから短く見えるケド、実際いつもはこれ位ですよ、とか言ってみたいお年頃な闇星です(長
  ユーリは太陽が(暑いのが)苦手なんじゃなくて光が苦手なんだよね?
  まぁもし違ってても幻やんパゥワーでどうにかっ!(他・力・本・願v)
  ビトレイ&クレイジーの悪役ーズのこれからの行動を密かに楽しみにしつつパスユーですのっ!(ミュウ風)
  やばいよ、瀕死状態だわ(ぇ

幻:今回、シーンが全く変わらなかったです。幻作です…(何)
  ハイ、ユーリは太陽も暑さも苦手なので設定合ってますよー
  しかし、全身に毛があるニャミより暑がるとは…ヴァンパイア、結構損な血筋?
  悪役ーズは私も色々楽しみ(ぇ) オアシス辺りに中ボス放ってたりするかも。
  あ、一週間歩くって書いてあるけど二日後くらいにはオアシスに着くつもりだ!
  で、その少し先に遺跡って感じで良いかなぁ。
  一日目は長かったけど、この辺からはじゃかじゃか進めて下さいましねっ!(ナタリア風)
  じゃ、ここらでパスユー。 トドメにジャイアントスウィング!!   2006.9.15


闇:リンクのシーンがあったんで、いつもより長くなりました闇星です。
  思ってたより早い時点でのカミングアウトになったケド、まぁいいよねv
  そして密かにボケてないマルスの出番も書けて満足サー!シーサー!(は?
  っていうかユーリの設定合ってて安心しました。ヨカッタヨカッタ。
  二日後にオアシスですねっ!OKっス!
  そんなわけでパスユー。GS(ジャイアントスウィング)決まったー!お星様になっちゃった!!

幻:闇どんの書いた分が多くてドビックリな幻です。頑張ったねー。
  リンクのカミングアウトは確かにもう少し後の予定だったよねぇ。
  まぁ「いつ」って言うのは無くて漠然としてたけど。ドッキドキでしたv
  ちなみに闇やんの文に便乗してマジなマルスを続けてみた。フフフ。
  さて、夜の砂漠を歩かせてみましたが、特に進展なし!そっちで頑張って!!(をい)
  お星様になっちゃった闇やんに追跡ロケット発射!!   2006.10.2


闇:話が全然進んでなくてゴメンナサイな闇星です。
  本当は一気にOASIS(ジャンヌかよっ!)まで持って行くつもりだったんだけどね(汗
  ま、オアシスは幻やん案だし、入るシーンは任せたのサ☆ 敵の動きにビクビクしつつもこの辺で(笑
  我不滅!追跡ロケット粉砕して再び降臨!