タル破壊試験(違)が終わり。
私達は、タルの破片を掃除してからフィルの元へと集合。
「これで俺も闘技大会に出られるな!」
ソラがにっこり笑って目を輝かせる。(当初の目的から外れてませんかい?)
が、
「そいつはいかん」
ヤギなオッサン(失礼)ことフィルは、首を左右に振って却下。
「何で!」
「答えは二言!『お前達は、英雄じゃ、ないから』!」
「何だって!?」
「いやいや。今の明らかに三言・・・」
「英雄と認めてほしかったら、こいつを使いこなしてみるんだな」
今さらりと私のこと無視しただろ。
拗ねるぞ!(やめとけ)
そして私を無視したまま、フィルはソラに向けて右手から白い光を放出した。
割別の鍵・15
巨人
〜踊れ!!超捜査線ッ〜
『ドン!!』
見事な破裂音。
「ぎゃー!!」とか聞こえたけど気にしない。(コラ)
ていうか、あれ?これって……
魔法伝授!?
「な、ななな何するんだよ!」
「雷の魔法、サンダー。」
「えっ」
ちょっと待て。
確かにゲームでもこのシーンで伝授ってことになってたけど……
「…ソラ、試し撃ち」
「…分かった」
これだけで分かってくれるのか。
素晴らしい絆だね私達!!
ソラは腰をさすりつつ立ち上がり、
数秒集中してからキーブレードを振る。
「えいやぁっ!!!」
が、やはり何も出ない。
「ほーら見ろ、やっぱり使いこなせんじゃないか」
笑うフィルに、ソラは唇を尖らせた。
「違う!俺が受け取った魔法は全部が使えるようになってるんだ」
ファイアの時もそうだったから、多分そうなんじゃないかとは思ってたんだよね。
実際ソラには使えないみたいだし、今回もそうかぁ。
・・・・・・って、ん?
サンダーですって?
「使いこなせないからって人のせいにするのはいけないぞ。悔しかったらちゃんと発動させてみい」
「本当だって!」
「ファイアもブリザドもそうだったんだ」
「僕達は嘘つかないよ!」
横でドナルドやらグーフィーまで含めてワイワイしてるけど、私は疑問で仕方がなかった。
私…さっきフィルから直接サンダーを伝授してもらったよね?
じゃあ二重になっちゃうわけなんだけど…それって害はないのだろうか。
…狽ヘっ、よもや………超帯電体質になっちゃったとか!
雷パワーを余計に溜めちゃったから…!!
うわああぁん!それじゃあ皆に触れないー!
それか、1回の発動で連動して自動的に2回目が発動するとか。
そっちのがまだましだけど、消費MP大量だなぁ。
もしかすると何も変化してないのかもしれないけど、ちょっと心配だ。
うーむ、これは一度試してみないと。
対策も練らないといけないし。
私は、皆のいる方とは反対の向きに体を向けて、目を閉じた。
…考えたらサンダーを使うのはこれが初めてだ。
元から消費MPは結構高めのはずだから、必要最低限の魔力を送り込むようにしてイメージ。
・・・・・。
そういや私、台風とか嵐の日くらいしか雷なんて見た事ないよ!
イメージなんてそんなに鮮明なものはできないって!
くそぅ、妄想力なら十二分にあるってのに。(なくていい)
誰か私に想像力を下さい!!
「くっ…。もう、こうなったら適当に撃つしかあるまい!」
私は激しく危険な発言をかましつつ目を見開いた。
そして魔力を込め、両手を前に向けて突き出す!
私は魔法を発動させた!
「出ろ『サンダー』ッ!!!」
すると、瞬間。
『ドゴオオオォォンッ!!!』
「ひぎゃああぁぁぁ!!!?」
「なっ、なな何だ!!?」
「ぎゃー!!!」
「うひょほっ!!」
「くわぁっ!!」
ありえない程の重低音が鳴った。
同時に、光の柱が目の前に降臨。
いやこれ台風の日に落ちる雷(地響き付き)ぐらい凄かったと思うんだけどどうだろうか。
大慌てするその場の全員。
練習場のフィールドを広範囲に渡って黒く焦がした、地響きすら立てるまでの大きな雷は、しかし空から自然に落ちてきたものではないようだった。
「…う……。」
…何だか体に全く力が入らない。
立っているのもつらい。
「雷…?……もしかして」
「?」
ソラ達がこっちを振り向いた時には、私は既にその場に座り込んでいた。
…座ってるのもつらいぞ。
どうしたんだ私。
フィールド外の土の地面にそのまま倒れ込んで、仰向けになる。
「!?どうしたんだ!!」
「……わ、かんな…」
全身を襲う虚脱感。
口を動かすのも億劫になってくる。
………あ、これ…もしかして。
「魔力足りない…」
かなり酷い症状だけど、多分魔力が足りないんだ。
魔法の練習してた時も、確かこんな感じになってた。今より症状は軽かったけど。
「魔力が…?やっぱり今の雷はの魔法だったんだ!ほら、俺の魔法は全部に移ってるんだって」
「ふん!にはさっきワシが直々にサンダーを伝授してやったんだ!使えて当然!」
「え!?」
言い合いを始めるソラとフィルさん。
あのー。私それどころじゃないのですが。
…もういっそこのまま寝ちゃっていいですかー?
瞼を開けているのもつらくなってきた私は、のろのろと目を閉じていく。
「ソラ!!そんなことやってる暇は無いよ!がっ」
「えっ」
「ドナルド、向こうにワープ陣あったよね?」
よいしょ、とグーフィーが私の両脇に手を差し入れて持ち上げ、引きずり始める。
あー、靴のかかとが磨り減るー。
「あ!!俺が運ぶから!!タル運びの時結局見てくれてなかったし」
たたた、と走ってくる音。
そーいやソラ、「これができたら男らしいって事を認めさせてやる」とか言ってたなぁ。
最後まで見てなかったからすっかり忘れてたけど、ソラはまだ覚えてたか。
グーフィーが引きずっていた為か、ソラも私を引き取って脇下に手を差し込み引っ張る。
あーあー、だから靴底が磨り減っちゃうって。
てか、ローファーだから後ろ側に傷がついちゃうんですが。
…まぁ、旅するんだし関係ないか。
どうせ傷くらいこれから沢山つくだろうし。
それにしても、ほぼ全く力入んないから全体重を余す所なく預けちゃってるわけだし、重すぎるんじゃなかろうか。
ソラの腕が折れたらどうやって責任をとれば・・・!!
治療費払えるほどお金持ってないですよー!!(ていうか財布無い)
けど、喋る気力もないので何も言えない。
脳内だけこんなのってどうなの。
「よいせっ」
ずるずるずるーっと音を立てて引きずられる私。
何だか死体遺棄しようとしてる犯人に引きずられる死体になった気分。(どんなだ)
「んーっ!!」
ずるずるずるるる。
「…手伝おうか?」
「重そう…」
「いい!」
振り切って引きずり続ける少年ソラ。
あー、このままロビーまで引きずられるのかー。
***
「復活ー!ありがとうね」
ロビーの入り口付近にあるワープ陣で全回復をした私は、立ち上がって伸びをした。
「これで俺のこと男らしいって認めれくれるよな!」
「うん。頑張ったね!偉い偉い」
「……。(何か違う・・・)」
納得のいかない表情のソラ。
…あれー?何か言い誤ったかなぁ?
「何でそんなにこだわるの?」
背後から尋ねてきたドナルドに、ソラは胸を張って答えた。
「に男として見てほしいからに決まってるだろ!」
・・・・・・・・・。
・・・・・?
「ソラ、それって…」
「いやん愛の告白!!?」
私がソラの胸をバシッとどつくと、ソラはようやく自分の言った事に気付いてブンブンと首を左右に振る。
「ち、違っ!!そんな意味じゃ…!!」
「青春だな!」
「んのぉーっ!!」
フィルがソラの脚をぺしぺしと叩き(肩には届かないらしい)、ソラは滝汗を流す。
考え無しにそういう事言うからだぞー。
まったく、可愛いなぁもう。(邪)
「え、じゃあどういう意味で言ったの?」
挑発するように言うと、ソラは涙目になりながら頬を膨らます。
「もっと頼って欲しいんだ!周りの奴らばっかり役に立ってるみたいで、俺が役立たずみたい――」
「明らかに嫉妬じゃないか!」
「だぁもう!違うって言ってるだろ!」
フィルさん、どうしても色恋沙汰に持ち込みたいご様子。
まぁ、ソラをからかうのは楽しいからねv(和み)
「あ、それはそうとして、さっきのサンダーは何であんなに大きかったんだと思う?」
……フィルの肩を叩いて言ったつもりだったのだが、
「嫉妬をする男はモテんぞ!」
「だぁから!違うって言ってるのに!」
「ムキになる所がまた怪しいな」
「むー!!」
・・・まだやってましたよ。
「フィルさーん。聞いてますかい?」
「おぉ!!?」
ひょいっと持ち上げてみると、フィルさんは物凄く驚いたようで、脚をじたばたさせる。
身長低いだけあって結構軽いよ。
大きなぬいぐるみみたいだね!
こんなぬいぐるみめっけたらまず間違いなく生暖かい目で見ちゃうだろうけど。
「だぁー!放せ放せ!!」
「あわっ、おっとっとっと!?」
あまり暴れるのでバランスを崩しかけ、私は慌ててフィルを降ろした。
「…小僧の言った事が本当なら、、お前さんには同じ魔法を二重に伝授した事になる。それがどこかでバグを引き起こしてあんな強力なものが出たんだろ」
「え…私、魔力の消費を最小限にできるようにイメージしたんだけど」
「それなら尚厄介だな…。最小限であの威力、あの消費量か」
「!?ちょ、ちょっと!じゃあ迂闊にサンダー使えないじゃん!」
「そうなるな」
待って、そんなことになったら戦闘に使えないよ。
どうしろっての!?
「ねぇ、二重になってるならどっちか除けないの?こんな、一発使うだけで瀕死になるようなの本当に使えないよ!」
「うーむ…」
腕を組んで悩むフィル。
…もしかしてできない、とか…?
「僕がやってみるよ」
「え、ドナルド?」
「出来るかもしれない」
ドナルドが、私の手を取って目を閉じる。
…その間にくちばしとか撫でてもいいだろうか。(コラ)
1回触ってみたかったんだよ!!
ブラックオーラを漂わせつつ、くちばしへあいている方の手を伸ばしかけ。
瞬間、視界が大きくブレた。
「わ、ぁ!!?」
何か見えない手に引っ張られる感覚。
二重に伝授された魔法の片方を吸い取っている、といった感じだろうか。
ぐん、とドナルドの方へ体が傾いて―――
「はい、終わり」
「あぐぁ!!?」
手を放され、引っ張られる感覚がなくなったが、傾いていた体は既に元に戻らない地点まで来ていて。
私はドナルドに倒れ掛かる!
「あぎゃー!!ドナルド避けて避けてー!!」
「わー!!」
双方慌てていてどうにもならない。
だだだ駄目だドナルド潰しちゃう!!(この前に引き続きこれかよ!)
目を瞑って身構えた、その時!
「!!」
ぐい、と腰を引かれた。
腰…というか、スカート?
どうやら咄嗟にソラとグーフィーが、一番掴みやすかった場所(スカート)を引っ張ったらしい。
ふぅ、これでドナルドを潰さずに済む。
と、思ったが。
『ビッ』
「「あ。」」
・・・・・・え?
私は、我が耳を疑った。
ちゃんと立って、恐る恐る音のした部分を見てみる。
「あ…」
「ご、ごめん」
おたおたするソラとグーフィー。
そう…私のスカートが、一部破けていた。
「ぎゃー!!イヤぁー!!!」
これ高いのに!!いくらしたと思ってんのー!!
いや、不可抗力だから仕方ないって分かってるんだけど!
分かってるんだけど…!
腰周りと、プリーツを繋ぐ部分の間が、横に10cmくらい裂けていた。
……って、待て。
「中身見えるー!!」
素早く裂け目を握って、隠す。
ていうか何!?何で皆ほのかに頬染めてるの!?
「でっ、できれば替えの服プリーズ!!あ、ドナルド、魔法で直せたりとかしないの!?」
王国の騎士の服から変えられたくらいだし!
「え、そのスカートの構造がわからないと無理だよ;」
「えーっ」
「何か代わりになるものとかないかなぁ?」
グーフィーが辺りを見回すが、当然そんなものはない。
「ヘラクレスの予備マントならあるが、それでいいならあるぞ」
「!」
ヘラクレスって、あの?
何だか汗臭そうだなぁ…。(コラ)
でも背に腹は換えられない。
「よ、よろしくお願いします!」
「ついて来い」
フィルが先頭に立って歩いて、私はそれについていく。
ソラ達をそこに置いたまま。
「…ヘラクレスって誰?」
「監督(フィル)の知り合いじゃない?」
ぼそぼそと話しながら、ソラ達は暫く呆然と立ち。
「…暇だねー」
「外に出て待ってみるか」
「そうだね」
が居ないとこうも静かなのか、などと思いつつ、が歩いていった廊下とは正反対の位置にある扉へ。
扉を開ければ、頭上には大空が広がる。
正面には、この世界の出入り口である巨大な扉。
「あー、いい空気」
深呼吸をするドナルド。
ソラはそれを見遣りつつ、少し歩いた。
「闘技大会、何とかして出られないかな…」
「ソラ、まだそんなこと言ってるの?」
「当然!」
「英雄として認められないのは嫌だよね」
「グーフィーまで;」
まぁ、認められないのが嫌だったのは確かなのだが。
「けど、あの調子じゃ認めてくれないような気がするよ」
「うーん、そこを何とかしないとな―――」
ソラが唸って、腕を組む。
と。
「おお、君はあのヤギおやじの頭の固さに悩んでいるようだな」
背後から、低い声が聞こえた。
3人が一斉に振り返れば、そこには随分背の高い男がいた。
…人間だとは思えない顔だったが。
黒く、脚の見えない程の長いローブを着て、頭には髪の代わりに青い炎。
肌も青白いというより、青そのものだ。
「あんた誰?」
「いやいや聞かなくたって君の言いたいことは分かってるさ」
ドナルドが尋ねたが、しかし男はそれを無視して自分の言葉を続ける。
ゆっくりとソラに近づき、
「大会に出場したいんだよな?」
親しい者のように、微笑した。
…否、ニヤリと笑った。
「よしよし、それじゃあこれをあげよう」
男は蒼い炎と共に、紋様の入った1枚の紙を出現させた。
それを、ソラに差し出す。
***
「うあー、これ似合ってるの?」
「おお、似合ってるぞ」
「本当かなぁ」
「当然だ!」
更衣室から出てきた私は、フィルと共にロビーに向かいつつあった。
スカートだけを換えたのでは、制服(しかも冬服)に青い腰布!なんていう素敵にアフォな格好だったので、ブレザーだけ脱いでみた。(現在ロッカーに入ってる)
つまり、白い長袖カッターシャツに青い長めのスカートってことですな。
ぐっ、重さがほとんどない分制服のスカートよりめくれやすいわ。(ピンで留めてるだけだし)
早いとこドナルドに制服のスカートの構造知ってもらって直してもらおう。
…あ、そういや制服を直すんじゃなく、構造を知ってる別の衣装に魔法で変えてもらえばよかったんだ。
失敗した!!
今から会って変えてもらおうかな。
でもそれじゃ借りた意味無いし。
うーん…、しばらくはこのままでいてみるか。
「おーい、お待たせー」
ロビーに入ってみる。
…が。
「…あれ?誰もいない…」
「外にでも行ったんじゃないのか?」
「そうかも。行ってみる」
すちゃっと敬礼し、フィルに背を向けてドアを開ける。
『キィ…パタン』
外に出ると、視界に入るのは広い空間と、頭上の青空と、探していた人達。
……………プラスアルファ。
「あ、!」
「着替えたの?」
「似合ってるよ」
「ありがとう!…で、そいつは?」
ソラ達の中心にいる、3mはあるんじゃないかという巨人を指差した。(人を指差してはいけません)
「闘技大会のエントリーチケットをくれた人!」
「いい人だよー」
「どうも」
「・・・。」
…えーと。
こいつって悪だったよね。
…なら、遠慮はいらないかv(ぇ)
「ねぇ、このコロシアム内に金髪の長身男性いるでしょ。アンタ関連の」
「! な、何のことかな?」
「キョドってるわよ明らかに。居場所教えて!お願いっ」
「知らないな。さぁさっさと大会にエントリーを…」
「…教えてくんないの?」
「知らないと言っているじゃないか!」
「……そう」
しゅん、と俯き、しょぼくれてみる。
「…同情誘ったって無駄だぞ」
「……(チッ)ねぇお願ーいっv」
そっと寄り添ってみる。
…いい加減ドナルドやらの視線が痛いけど。
「(うっ、)知らないものは教えられない!色仕掛けも駄目!!」
「(クソッ)うわーん!!スカート穿いた巨人変態がいじめるー!!」
「スカートじゃない!変態じゃない!いじめてない!!泣いても無駄だ、教えんぞ!」
巨人は否定しないのね。
…しかし、どうしても教えてくれないようだ。
何か手はないものか。これでは捜査に支障が出る!
聞き込み調査は難航!クラウドの行方やいかに!!
気分は刑事です。
「、いきなりどうしたの?」
「この人、本当に知らないんじゃないの?」
あぁ、本当に信じきってるよこの人達。
「教えないとか言ってたから知ってるのは確実だと思うの!」
「(ぎくっ)気のせいだよ」
「ごまかすな!」
「ごまかしてなんかないさ、異邦人」
「……異邦人?」
「!(しまった…)」
異邦人……チシャ猫も同じ呼び名で私を呼んでいた。
意味なく呼んでたわけじゃなかったの?
チシャ猫とこの男…ハデスに共通するものは……、何だ?
チシャ猫は味方だし、この男は敵。
共通部分なんて、色んな事の裏事情を知ってるっぽいってことだけで…。
…私は、裏事情を知る者達の間でそう呼ばれてる、とか?
いやいや、私はソラについていってるだけの一般人だし、そこまで気に掛けるもんじゃないでしょ。
「そ、それじゃこれで」
「あ!!」
私が考えてる間に、ハデスはさっさとコロシアムの中に入っていってしまった。
…あーあー…。あいつ一応神だし、見つけるのは困難だろうなー。
しょうがない、ハデスに聞くのは中止だ。
クラウドは自力で見つけよう。愛があればできるはず!
「ところで、はそこまでして誰を探してたの?」
グーフィーが後ろから尋ねてくる。
「あー、ちょっと見かけた人なんだけど、気になったから追っかけてるの」
「? そうなんだ」
…それにしても、見つからない。
早く会いたいのに。
捜査は困難を極めておりますよ。
こんなことなら魔法でハデスをギッタンギッタンにしてでも聞き出すべきだった。(危険)
・・・ん?
魔法?
「あ!まだ試し撃ちしてないや」
本当に雷魔法がまともに戻ったのかを見ないと。
「じゃあここでしてみたら?」
「うん。大丈夫だとは思うけど、また倒れたらお願い」
「ラジャー!」
ソラが敬礼したのを見て、私は集中し始める。
……数秒後。
「サンダーっ!!」
『バリッ!!バチバチッ』
細い雷が、力強く地を打った。
確かに魔力の消費は結構あるが、これは……
「成功だ!!」
「やりぃ!」
ぺし、とお互いの右手をタッチする私とドナルド。
これでまともに戦闘に使える!…のは、いいけど……
「…今の雷真緑じゃなかった?」
「うん、真緑だった」
「しーっ、言っちゃ駄目!が気にするか――」
「・・・聞こえてますって」
そう、雷は真緑だった。
うー、何で私はこうもまともに魔法を覚えられないんだろう。
悔しいなぁ。
「き、気にするなって!ほら、大会にエントリーしよう」
「…ふぁーい…。」
ぐいぐいとソラに引っ張られながら、私は再びコロシアムへと入っていった。
〜To be continued〜
<アトガキ。>
ぐあああぁああぁ!!またクラウド様出てない…っ(あっ!石は投げないで!)
そろそろ禁断症状出そうです。
でもハデスをからかうのは楽しかった罠。(コラ)
次回こそ必ずクラウド出ます。もう決定事項です。
それではお楽しみに。
2005.7.10