旅はまだ始まりを告げたばかり

 僕は手を差し伸べることができないけれど

 それでも信じているから


 例え今歩調が合わなくても

 君達なら大丈夫

 だってほら、



 君達は、鍵を持っているんだ







割別の鍵・05
出航
〜始まり〜







「んー、これからしばらくこの街に戻れなくなるのかぁ」
 私は宿屋を出て伸びをしつつ独り言。
 歩き始めた皆の後ろについて私も進む。

 そして、ふと思いつく。


「ねぇねぇ皆、私旅に出る前にちょっと寄りたい所があるんだけどいい?」
「ん?どこに?」
 ドナルドが振り返って止まる。
 それに連動してメンバー全員その場にストップ。

「ちょっとお世話になった人に挨拶してくるの。すぐに戻るから待ってて」
「わかった」
「行ってらっしゃい」

 律儀にハンカチ振ってきたグーフィー(何処から出した?)に、私は手を振り返して方向転換。
 早く用事を済ませるため、駆け足である建物へ向かった。




『ガチャリ。』
「いらっしゃい…って、か」
「ども♪」

 建物…もといアクセサリーショップに入って、私はカウンター内にいる人物へと敬礼。
 カウンター内にいるシドは、ニカッと気持ちよくなるほどの笑顔を向けてきた。
 わーい、これだからシド大好きさ!!

「どうした?また何か困ってんのか?」
「いえ、挨拶しにきたんです」
 カウンターに近付き、私はシドの正面に立つ。

「挨拶?」
「私、旅に出なきゃいけなくなったんです。シドさんにはお世話になったので寄ってみました!」
「また突然だな。ここに戻ってくる予定はあるのか?」
「えぇ、それはもう!シドさんにも時々会いたいですしね」

 まぁお店とか揃ってるし戻ってくるのは確かなんだろうけど。
 でもシドに会いたいのは間違いなく本音です。

 レオンとかユフィとかいるしね!戻ってこなきゃ損ってもんだよ!!
 ・・・何だか誰か忘れてる気がするんだけど。
 誰だろう?うーん。

 ま、いっか。(ぇ)

「会いたい…ね。会って間もねぇのに面白い奴だな」
「えへへ。じゃ、さようなら…って、さようならじゃないですよね。また来るし」

 あれ?と首を傾げる私。
 するとシドはカウンター越しに私の髪をくしゃりと撫でた。
 わぁ、シドって手大きい!!

「『行ってきます』でいいんじゃねぇのか?」
「え、でも」
「また来るんだろ?」

「…はい」

 何だかシドさん、お父さんみたいです。
 うーん、優しくてあったかくていいなぁ。

「それでは行ってきます!!」
 綻んだ顔で言えば、

「おう、行ってこい」
 優しい笑顔で返された。

 そんな感じで私がえへへ、と笑っていると、


『ガチャッ』
「こんにちは」
 入り口から、高めの綺麗な声が。

 勢いよく振り返ると、そこには茶色い髪でちょっと背が高めの、服をピンクに統一してる美しきお姉様がいた。

 …・・・・・・・・
 ・・・!!
 よもやこのお方は・・・!!!

「おう、らっしゃい。エアリス、今日はどうしたんだ?」
「プロテスネックレス、買いに来たの。ハートレスの数、増えてきてるから」

 カウンターまで歩いてきたその女の人は、シドと親しげに話した。
 …って、エアリスって呼ばれてたよ!!

 やはりこのお方が・・・っ!!!
 誰かに会い忘れていた気がしてたけどエアリスさんだったのね!!
 あぁ、貴方を忘れるなんて私はなんて不届き物・・・!!

「ところでこの子は?」
 私があっつーーーい視線を向けていると、不思議に思ったのかそれとも不審に思ったのか(恐らく後者だ)、エアリスは首を傾げつつシドに質問。

「あー、コイツはってんだ。異世界から来」
「シドの子供?」
 言葉を遮って無邪気に尋ねるエアリス姉さん。


 …・・・・・・・・・・・
 ・・・子?


ちっ、違いますよ!!(それはそれでいいかもしんないけど)私はただの客ですから!」
「つーか俺にガキはいねぇよ!!
「?そう?」

 うっふふふふ・・・・・
 シドの子だと勘違いするとは、あな恐ろしき天然。

、お前は装備大丈夫なのか?」
「え?」

 エアリスが防御品…もといプロテスネックレスをさっさと購入したのを背後からつぶさに観察していたのだが、そこで名を呼ばれたので少々びくついた。(ぇ)

「お前旅に出るんだろ?装備くらいちゃんとしておけ」
「あ、でも私お金が…」
「後払いって事で勘弁してやるよ」

 取るんですね、お金(当然だけど)

 エアリスがお礼を言って店内から出て行くのを見送り、私は考える。
 これから旅をするんだから、戦いにも巻き込まれたりするんだよねぇ。
 私は戦えないけど、いなかったらソラがキーブレード出せないし。

 じゃ、装備はやっぱし必要か。

 ・・・ソラ達にも買って行かないといけない気もするのだが、さすがに本人達の了承を得ずに借金まみれ(違)になって帰ってくるのは悪いかと。
 奥さんの知らない所で競馬やってる夫の気分ですハイ。(ぇ)

「どれでもいいから選びな。初回限定で半額にしといてやるよ」
「え、本当に!?」

 でもツケには変わりないんですよねv


「うー…あー…どれにしようかなぁ…」
 ファイアリングとか?炎系の敵は結構多いだろうし…
 でもプロテスも捨てがたい・・・
 迷う迷う…。

 ・・・・・・そこで私の目に止まった物。

「…ねぇシドさん」
「あ?」
「私には仲間がいるんで、私だけ装備品買うのは不公平だと思うんですね」
「・・・で?」


「シドさんのそのゴーグルくださいっvv」
「・・・・・はァ?」



 シドが頭につけている飛行用ゴーグルを指差すと、シドは片眉を上げて聞き返した。

「どういう理屈でそうなるんだ?」
「お願いします!貸してくれるだけでもいいんで!!」

 お守りの代わりに持っておきたい。
 何かシドって妙に強そうだし。(何)

「…あーもう、仕方ねぇな…。ほれ」
 本当に仕方なさそうに、シドはゴーグルを外して私に手渡してきた。
 やったぁ!!

「ありがとうシドさん!!」
 早速付けてみようと、私はゴーグルを頭から被って・・・

 ・・・・・・。

 ぶ、ぶかぶかだ・・・っ


「サイズ合わねぇじゃねーか」
「・・・そうですね」

 頭すっぽりどころか、首までストンと落ちます。
 うわぁぁん!!!折角貸してもらったのにー!!!

「どうすんだ?やっぱ別のに――」
「…いいんです、元々お守りのつもりで貸してもらったんで」
「お守り?」

 私はゴーグルを首に下げたまま、えへへと照れ笑いをする。
「何か持っていると、心強いじゃないですか?」


 微妙な理由かなぁ?
 でも、この世界に来てから私は間もない。
 ゲームで知ったこと以外何も分からない。
 頼れる人は、出会った数人のみ。

 ちょっと、先の見えない『これから』が恐かっただけ。


「・・・・・、そうだな。」
 少しだけ間を置いてシドが頷いて、私はちょっと嬉しくなる。

「ま、絶対に返せよ?結構大事なモンなんだからよ。…必要なくなったらでいいから」
「はい!」

 大きく頷き、私はゆるくお辞儀をした。

「それでは、行ってきます!!」
「おう」

 なぜか恒例になった敬礼をして、店の入り口へと向かう私。

 シド、ありがとう。
 そう心の中で、お礼を付け足して。



「全く、不思議な奴。」

 店のドアが閉まった後、腰をかがめたシドがカウンターに肘をついてそう呟いたのを、私は知らない。


***


「お待たせー!!」

 皆のいる広場に駆け足で戻ってみると、皆は何やら機嫌悪そうな顔をしていた。(グーフィー除く)

「遅いって!!!」
「待ちくたびれたよ!!」
「お帰りー」

 約1名妙にずれたこと言ってます。(グーフィー)
 あぁ、結構立ち話してたもんなぁ。

「ごめん、思ったより長引いちゃった」
「…まぁ、その間にアイテムとか揃えたからいいけど」

 意外とちゃっかりさんですね。
 でも装備品を買いに来なかった辺りが抜けてます。

「…あれ?そのゴーグル…」
 ソラが私の首に下がった飛行用ゴーグルを見て言った。

「あ、これ?シドさんに貸して貰ったの」
「え?ってシドの知り合い?」
「まぁ、そうだね」
 知り合ったばっかだけど。
 あんなナイスオッサンと知り合いになれたのは嬉しいことですよ!(ぇ)


「さて、出発する?」
「ちょっと待って、忘れてた」

 私が意気揚々と歩き出そうとすると、ドナルドから止められた。
 ・・・何だ何だ?

「キーブレードの持ち主は、ソラだよね?」
「正確にはそうだね」
「じゃあ、ソラ!」
「何?」
「1つ魔法の力をあげるよ。これからの旅に必要だろうしね」
「魔法?」

 ソラの問いには答えず、ドナルドは杖を振り上げる。
 杖の先に赤い光がともった。
 その場にいる全員がその光を見つめる中、ドナルドはそれを・・・


 勢いよくソラにぶつけました。


「がはぁっ!!?」
「ソラ!」
「あひょっ!」

 一部心配するものとは違う声が聞こえた気もするが、それはいいとして。

「大丈夫なのソラ?」
「ん…、あれ?痛くない」
「当然!魔法の力をあげただけなんだから」
 胸を張って言うドナルド。

 ・・・痛くなくても心臓に悪いですよ・・・・・。

「これで火の魔法『ファイア』を使えるはず!」
「え、本当?!」
「キーブレードの先を意識して、力を込めて」
「分かった!」

 嬉々として従うソラ。
 ああもうかわいいなぁっ!!!
 そんなに無邪気な笑み浮かべたら萌えるしかないじゃないのさ!!!(やめれ)

 ソラはキーブレードを出して瞳を閉じた。
 数秒後、


「えいっ!!!」

 気合いを込めてキーブレードを振る!!


 ・・・・・・・が。


「・・・・・・あり?」
「・・・・・・・・・え?」
「?」
「えっ・・・」

 上から順に、ソラ・私・グーフィー・ドナルド。
 一同、眉を寄せた。


 ・・・魔法が出ない。


「何でっ!!?」
「まさか心が欠けてるから魔法が使えないとかいう激しくヤバいオチじゃ・・・
 私が冷や汗かきつつそう言うと、私以外のメンバーは背景に雷を落とした。(グーフィー除く/マイペースすぎだろ)

「でっ、でもそんな・・・!!」
「魔法なんてカッコ良さそうなもの使えないなんて!!」

 ドナルドとは別の意味で落ち込むソラ。
 それでいいのか鍵の持ち主。

「まぁ、慣れてないんだから失敗したのかも。もう1回やってみたら?」
「わ、わかった・・・」

 ソラは、今度は目を閉じずにキーブレードの先を見て集中。
 私達はそれを見守った。




 それから結構試したのだが、結果は惨敗。
 火の粉すら出てきません!!
 何だか不良品の機械いじってる気分になってきました。

「・・・やっぱ駄目か・・・・・。」
 しょげて言うソラは、かなりバテていた。

 そりゃあんだけ集中してればなぁ。

「もう1回だけ頑張ろうよ!私も手伝うから!」
「手伝う?どうやって?」
「うーん・・・。ま、いいから」

 私は何としてでも魔法を会得させたかった。
 だって・・・

 ソラが魔法使うの初めて見るじゃん!!

 キーブレードの先から火球を繰り出すソラ!
 かっこいいですよ絶対!!

「さ、キーブレード構えて」
「…ん。」
 少々投げやり気味にキーブレードを握るソラ。

「ちょっと、それじゃ駄目!!ほら、ちゃんと握って!」
「・・・わかったよ」
「そうそう。じゃ、集中!!」

 私はソラの左肩を叩いて指導。

 ・・・生徒と教師!!?それも萌え!!!(おーい)

 ソラはじっとキーブレードの先を見つめた。
 私もそれに合わせて集中。

 えーと?力を込めるんだっけ?
 イメージでいいのかな。
 ・・・って、私がやっても意味無いんだけど。

「発射!!」
 ドナルドが合図を出して、力の放出をイメージした。


 瞬間。


『ドォンッ!』
 正面にあった石の壁から、凄い音が。

 火球が発生し、まっすぐに飛んでぶつかったのだ。
 …ところがそれは。


「・・・何での手から?」


 一斉に注目される私。
 そう、火球は私の手のひらから出てきていたのだった。

「あ、あれぇ・・・?おっかしいなぁ・・・??」
 ソラが撃つはずだったのに。
 私が撃ってどうするのよ!!

「えーと、何かの間違い?」
 引きつり笑いしながらメンバーを見渡す私に、
「じゃ、もう1回撃って」
 ドナルドが真顔でリクエスト。

 私は再度集中。
 けど、

『ドンッ!』

 今度はかなり短時間で撃てちゃいました。
 な、慣れるの早いよ私・・・!


「…もしかして魔法を使う能力もに移った?」
 言って、ソラが恐る恐る、といった感じにドナルドへと振り向く。

「…そうかも…。魔法は意志と心で出来るから…」
やっぱりかぁっ!!
 頭を抱えるドナルドとソラ。

「え?ど、どういうこと?」
 ちょっと待て。ちょっと待て。
 頭が理解を拒んでる!!

の中に入ったソラの欠けた心が、魔法を使う能力を持ってたってことかな」
 意外と長喋りしますねドナルド。
 ・・・・・じゃなくて、

ってことは私が魔法使って戦闘に参加するのか!!?

「あ、あのー…、もしかして私戦闘に参加したりなんて?」
「そうだね」

 あっさり返答しないで下さいグーフィー・・・っ!!!(泣)

「わ、わわ私何も出来ないんだよ!?運動神経だって良くないし、趣味は読書(主にマンガ)だし、特技だって水中で2分弱息を止められることだけなんだから!!」
「魔法が使える上にキーブレードを使うのにいなきゃいけないでしょ」
「うっ・・・・・。」

 尤もな反論をされて、私はぐっと詰まる。
 ていうか、本当に戦闘なんて無理だってば・・・。
 今日もハートレスからかなり凄い形相で逃げてたっていうのに。

「うぅ…。というか何で欠けちゃったのよソラの心!
 一番の原因はこれだぁっ!!!

「何でって言われても…」
 ポリポリと頭をかくKH主人公。
 ふわふわしてそうな髪がやたら萌えを煽る。

「…あ、そういえば」
「なになに?」
「俺がこの街に来る前にでっかいハートレスと戦ったんだけど…」
「ふんふん」
 あの、ソラが元いた島での出来事ね。

「…あの時、結構ダメージ受けて…」
「・・・・・ふんふん」
「最後には『パリーン』って音がして気絶したような・・・?
「・・・・・・うん?
「で、夢の中で角ばって硬そうな建物がずらーっと並んでて変な乗り物とかが沢山通る黒い道がある変な場所を見て、目が覚めたらこの街にいた」
「・・・・・・」

 ドナルドとグーフィーはただ疑問符を浮かべるばかり。
 が、私は妙に状況が把握できてしまって逆に恐い。

「あのー、えーっと・・・もしかして気絶する直前にピンク色のハートなんて見てないよね?
「よく覚えてないけど…何か分かったのか?」
「・・・あはははー……、いや、仮説が立っただけ・・・。」
「何だよ?」
「いやぁ…うーん。ま、要するに危なかったって事で」
「は・・・?」

 私の推測。


・ソラがハートレスと戦った。

・が、負けた。

・ゲームしている私には分かるが、ゲームオーバーになった時にソラから抜け出る(?)ソラのハートがソラの前に出現。

・多分その時にハートレスが叩いたか何かでハート(=ソラの心)が欠けた。

・死に掛けたソラが、ほぼ幽体離脱状態で私の世界に浮遊。(変な世界ってまんま私の元いた世界じゃん

・何かの拍子に欠けた心が私の中に入り込んだ。

・で、生死を彷徨った挙句肉体に無事入ってトラヴァースタウンで生還。


 ・・・・・。
 ・・・・・ありえないかな。
 いや、でもこうとしか考えられない・・・

 つか、私が元の世界で見た夢の中で『パリーン』って聞こえたのはこれだったのか。(予知夢?)

 推測でしかないけど、これ以上考えてると混乱しそうなのでやめておく。
 そもそもあんな敵に負けるな主人公!!


「あの…とりあえず戦闘は出来る限りサポートするってことでいいかなぁ・・・?」
 私は少し眉を寄せながら、本来の話に戻した。

 戦闘が面倒なんじゃない。
 体がついていかないのがネックなのだ。
 基本的に邪魔にはなりたくないので、ガードアーマー戦の時の願いが叶ったと寧ろ喜んでいる。
 でもなぁ・・・。
 ソラもリクとチャンバラやってたっていうのに。
 私は何もやってないただの女子高生だし。

 ちょっと先が思いやられるなぁ。

。これから乗る、世界と世界を行き来する船『グミシップ』は、笑顔がエネルギーなんだよ!」
 しょっぱなから溜息ついてる私に、ドナルドが喝を入れる。
 ・・・顔はギャグにしか見えないけど(失礼)

「わかった」
 そして私は精一杯笑ってみることにした。


 ・・・・・KHキャラと旅。
 色んなキャラに会える。
 ソラの生足。レオンの天然。クラウドの「興味ないね」。リクの美麗顔。
 グーフィーやドナルドをつつき回れる。
 寧ろソラの寝込みを襲える(コラ)


「・・・・・うふ、ウフフ負腐腐・・・っvv」
「「「!!」」」

 はっ、しまった。
 思わず萌え笑いが・・・
 何だか皆さん怯えてますね。(わぁ)

「と、とにかく船に乗ろうか・・・」
 どもりつつ、世界の外へ出る門へ導くドナルド。(笑いはこれでいいのか)
 結構苦労性です。
 寧ろ腐女子ですいません。(ちょっと反省)


 大きな扉を開き、そこに現れたのはカラフルな船。
 どっちかっていうと宇宙船っぽい。

 ゲーム画面でみるより大きいんだなぁ。
 これだったら余分な部屋くらいありそう。

「さぁ、乗って乗って!」
「はーい」
「わーい!」
「あっひょ」

 やはり微妙な返答を後ろに聞きつつ、開いたタラップから私は船に乗り込んだ。
 中はやっぱり広い。

 そこかしこでエンジンやら何やらがゴウンゴウンと機械音を立てている。
 ここはエンジンルームか何かかな?
 基調色は、黄色というちょっとばかし目に痛い色だが、慣れれば大丈夫だろう。

 全員乗った所でタラップがしまわれた。
 そして、


「「僕らの船へようこそ」」

 何だか足元からかわいらしい声が。

「なっ、何だ!?」
 ソラが驚いてる。
 てか、私も驚いたんだけど。

 するとグーフィーが床に手を伸ばし、何かを手のひらにのせて私とソラの前に差し出す。

「どうも、この船の整備士のチップと」
「デールだよ」

 グーフィーの手のひらには某可愛い小動物2匹。
 そうだった、この2匹はグミシップに詳しいんだったよね!!

「俺はソラ。それでこっちが」
だよ。よろしくね」
「「よろしく!」」

 うああぁあ!!可愛いー!!!
 何てこった、これぞ小動物パワー!!
 限りなく愛らしいです。

 人差し指で2匹と握手を交わすと、もう感動ものです。
 知り合いになれて嬉しいなぁv


「それじゃ、早速出発するよ」
「コックピットに移動してシートベルトを締めてね!」
「はーい!」

 私達は、はしごを上がってコックピットへ…
 行く途中でソラが足滑らせて落っこちかけた。

「うわぁっ!!」
「ソラっ!!」
 先に上がっていた私はソラの腕を掴んで何とか落下を防いだ。
 ソラはかろうじて片手ではしごを掴んだままだったので、とりあえず重さに負けることはなかった。
 まぁ、重かったけど。

 ・・・これって普通立場逆じゃないか?(ぇ)


「…っだはぁっ!!」
 数秒かかってコックピットにソラを引き上げ、しゃがみこんだまま息を切らす、私含め2名。
 グーフィーは既に席についていて、ドナルドはなにやら難しそうな機械を操っている。
 ……操縦盤?

「大丈夫?」
 席に座りながら後ろを向いてのんびりと声をかけてくるグーフィー。

「心配するくらいなら手伝ってくれてもいいじゃん!(裏手ツッコミ)
 ドナルドはいいとして、席に座ってちゃっかり見学に徹している辺りがグーフィーである。
 駄目だよそんな「あひょっ!」とか言って誤魔化そうとしても!!
 可愛いとか思うだけだぞ!!


 そんなわけで先が思いやられる、出鼻のくじかれた出航を迎えた私だった。





〜To be continued〜






<アトガキ。>

えぇー・・・、
何ともいいようのない文ですね!!(コラ)
オリジナル要素の強いブツです、すいません・・・
本当はドリ主、魔法なんて使えない予定だったのですが、それだとあまりに旅の中で邪魔になりそうなので急遽変更。
それでも一般人なので戦いのエキスパートになることはないですね。

遂にソラの心が欠けた秘密が明かされました。・・・仮説で!(ぇ)
誰も見ていないからそうなりますよね…今更気付きました(おい)

ところで、KHのOPで文字だけで喋っているのは個人的に王様だと思っているのですが、いかがなものでしょう・・・?
攻略本にもはっきりとは書かれていなかったんで・・・。

今回何だかシド夢になってしまいました!(爆)
前半シドばっかり!!それもこれも私の行き当たりばったりな文章構成のせいですね!(貴様)
あ、挨拶くらいしておきたいと思うじゃないですか・・・お世話になったわけですし。
そしたらシドのナイスキャラから前半抜け出せなくなりまして!(わあ)
・・・書いてて結構楽しかったのは秘密です。
リクとかクラウドとか待っていらっしゃるお方もいるのに・・・
頑張ります!!

それではまた次回。
・・・次回はどうやらトランプな世界へ行くようですね。

2005.1.31