今日はDeuilのオフの日。
どうせだから遊びに行きまっす!!!
お菓子も買ったし、さぁレッツゴー!!
018 : ムースポッキー
『ガチャリ。』
「か…待っていた」
呼び鈴を押して十数秒待って、ようやく扉が開かれた。
…この城、広いからなぁ…。
「おじゃまします♪」
私はユーリの後について、いつも通りリビングへ。
カバンを床に置いて柔らかいソファに沈み込めば、ユーリは私の隣にゆったりと座ってくる。
銀色の髪が相変わらず綺麗。
「…あれ?アッシュとスマは?」
見回すが、その姿はどこにもない。
それどころか、他に誰かがいるような音も聞こえない。
いつもならスマがダッシュで私に飛びついて、アッシュがそれを見て苦笑してるはず。
「買い物だ。スマイルは「デパートの屋上でギャンブラーZのショーやるからアッシュについて行く」と言っていた。もうすぐ帰るかもしれんが」
「あー。」
ギャンブラー好きは変わってないわけね。
…そう簡単に変わっても怖いけど。
「紅茶でも淹れてこようか」
「あ、いいよいいよ。それより私、ユーリと一緒にいたい」
「…そうか」
ユーリは浮かせかけた腰を再びすとんと落とし(体重軽そう…)、私の肩を抱き寄せた。
「私もが傍にいる方が嬉しい」
そっと言うユーリに、私は内心吐血。
あぁ…格好良すぎる・・・・・。
彼女バカだと言う人もいるが、こればかりは譲れない。
「…あ。」
私は視線がカバンにいった所でふと思い出した。
ユーリの腕を緩めてカバンを漁り、1つの箱を取り出す。
「じゃじゃーん!」
取り出したのは、苺のムースポッキー。
それを見て可愛く首を傾げるユーリに、私はえへへと笑った。
「えっとねー、ポッキーゲームやろうよ!」
「ポッキーゲーム?」
「えーっ、知らないの?」
これだから古い人は!と失礼なことを付け足すと、ユーリは私の腰に腕を回してぐいっと引き寄せた。
「…あまり言うようなら、このままありがたく頂くが。…いいのか?」
「!!」
耳元に唇を寄せて言うユーリ。
『頂く』のがポッキーでない事は最早明白で。
「いっ、言わないからやめて!私明日バイトなんだからっ」
真っ赤になって押し返そうとする私に、ユーリは「冗談だ」と軽く笑った。
少しだけ緩められた腕を、私はちょっと名残惜しげに思った。
「それで、ポッキーゲームとは?」
「え、ユーリに聞こうと思ってたから知らない」
「・・・・・」
だ、だって!!
ユーリなら知ってると思ったのに!!
普通私くらいの女の子なら知ってるらしいけど、友達から言われてわかんなかったから今の内に知っておこうと思ったんだよ。
「でも恋人同士がやることだっていうのは、誰かが話してるの聞いたよ」
「随分と断片的な知識だけがあるのだな…。」
「だって…細かい事聞いたら知らないっていうのバレちゃうじゃん」
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥という言葉を知っているか?」
「じゃあユーリ誰かに聞いてきてよ」
「…遠慮する」
目線をずらして拒否するユーリ。
いや、そんなこと聞いたのバレたらからかってくる人物がいることは目に見えてるからその気持ちは分かるんだけどね。(例えば某透明人間とか、某ウサギと猫の良く似た2人組みとか)
「んー、どういうものなんだろう?」
「他に何かそれについて聞いたことはないのか?」
「えーとね。…あ、思い出してみれば結構小耳に挟んだ情報多いわ!」
私は、友達が話をしていた内容を少しずつ思い出す。
ポッキーの箱を開けて、ビニールを1袋取り出した。
袋を破くと、甘い匂いがふわりと漂ってくる。
「んー、何かね、2人でポッキー咥えて、」
「ふむ」
「端からカリカリ食べていくんだって!」
「ほう」
「後はよく分からないんだけど…」
私の言葉に、ユーリが「むー」とか言いつつ数秒考えて。
「とりあえず、その通りにやってみるか」
提案をしてきたので、私は元気よく「うん!」と頷いた。
***
約10分後。
アッシュとスマイルは共に城へと戻ってきていた。
2人とも、リビングへと向かう。
アッシュはリビングを通ってキッチンへ食材を置きに行く為に。
スマイルはくつろぐ為に。
そして辿り着いたリビングのドア。
開いてみると、そこには―――――
『カリカリカリカリカリ……』
「…何やってるっスか、あんた達…」
呆然とアッシュが呟く。
覗きこんだスマイルまで、唖然と口を半開きにする。
「あぁー!!また負けた!!!」
「ふふ、は口が小さいのではないか?」
「むー!」
もう1回!とムースポッキーを取り出して再戦を申し込む。
そして、なぜかそれぞれムースポッキーを1本ずつ咥え、キッチンにあったはずのストップウォッチを持ってカチリとスタート。
それと同時に一斉にカリカリとムースポッキーを食べ始める2人。
で、より1〜2秒早くユーリが食べ終わる。
「あぁー、また負けたー!!」
悔しがる。
「……ねぇ、にユーリ」
ようやくリビングに入った2人の内、スマイルが呼びかけると。
「帰っていたのか」
「お帰りー」
にこやかに返された。
「…何やってたんスか?」
気になって仕方がない。
あの意味不明な行動の意味は一体。
が、それに対してとユーリは。
「「ポッキーゲーム。」」
あっさりと同時に答えた。
スマイルとアッシュは、開いた口が塞がらなかったそうだ。
<アトガキ。>
えーと……
ごめんなさい・・・!!
何だかアホです。アホユリです。そして何より書いた私がアフォです。(全くだ)
そして短いです。
この話、当初は激しく甘い話にする予定だったのですが、私にはどうしても無理でして…!!
ギャグならもっさり書けます。(やめれ)
…色々とすいませんでした…;
2005.3.31