ピンポーン

「どうしたんだろ・・・」
チャイムを押しながらぼそりと呟く。
突然、影君からの『いそいで来てくれ』という電話
声色からして、何か大変なことがあったようだ
冷や汗をかきながらまっていると、数十秒して慌ただしい音が聞こえて来た
ガチャリ と勢い良くドアが開く
「あぁっ!さん!来てくれたんですね!」
「影君!何かあった・・・・」
言いかけて、私は硬直した。

ーー影君の足下に、僅か4、5歳程のMZDが居たのだから


永遠の幼年!?
〜自称永遠の少年大パニック物語〜



「・・・・・・・・・・・一瞬、MZDの子供かと思ったけど」
「ハイ」
「今度は一体どんな馬鹿やらかしたのかしら?こーーんなに可愛くなっちゃって!」
影の足下に隠れるチビM。
はその頬を思い切りつねった。ふむ、良く延びるものだ
「あだだだだっっ!!はなせ!
 なんだよそれ!俺がいつも馬鹿やってるみたいじゃねぇか!」
だが、その台詞を言うものは必ずなにか仕出かしているものだ

「やってんじゃない。この間はアッシュが猫になったし、その前は影君が紫に染まったし!」
「あれはアイツ等が生意気言うからだ」
「Mの我が儘が原因だろ」
「それとミミに猫耳が生えてニャミにウサ耳が生えた事があったし」
「あれくらいどうってことないだろ」
「六がアフロになったこともあるわね」
「ありゃあ傑作だったな!」
「・・・・あの後斬られそうになったくせに。それと影君が虹色に染まったり、透明になったり。」
「僕ばっかりですね・・・・・しかも染まるのが殆ど。」
「けっ。」
余程影に恨みでもあるのだろうか。
は「えーとほかにも色々あった気がする・・」と思い出しては指を折る

「・・・こんな馬鹿が神か・・・」
「あぁ!?何だと!?」
「いやいや、本気で『世界が終わるかも』って思っちゃっただけよ☆」
「何ィ!?言っとくがな、才能と学がなきゃ神にはなれねェんだよ!」
「MZDは頭が良くてもおつむが足りない典型的タイプですよね」
「なんだと影!お前オプションの癖に生意気なんだよ!」
「これだけして復讐されないのはなんでかしら?」
「多分幼稚だからじゃないですか?相手が」
「んだとォ!?」
「ああ、子供のやるイタズラと思ってーー・・・。」
「そ、大目に見てあげてるんですよ」
「てめェ等!俺が手出しできないからって好き勝手言いやがって!!」

そこでが屈んで、下で喚くチビMZDを覗き込んだ。
「手出しできないの?そういやそうね。
 いつもならここいらへんで タライとかがふってくるのに」

チビMは、はっとして口を噤んだが遅かった。
が実に楽しそうな顔をする

「あんた、今神の力使えないね?」


しかし、タライとはなんともレトロな・・・




「つ、使える!」
「だけど力の制御が上手く出来ないんですよ」
「影!余計な事言うなよ!」

成る程 成る程。
普段生意気でなにかあればすぐ力を使い、偉そうだったMZDが。
今や小さくなって力も上手く使えない。
その上可愛らしい

は内心で思いっきりガッツポーズをした。
「ところで影君、私を呼んだわけは何かね?」
「ああ、MZDがこの状態なので仕事の手伝いをしてもらおうと思ってたんです。
 しかも先ほどMが力を使ってしまい、・・・・台所が吹っ飛びまして」
「げ。その後片付け?」
「それとMZDの子守りを。目を離すと何を仕出かすか・・・」
「おい!影!てめェ俺が元に戻ったらたっぷり復讐してやるからな!!」
「ふむ。でもね、影君。私とても楽しい事を思いついちゃったんです」
「何ですか?」
「皆、一度はMZDを恨めしいと思った事があるはずなんですよね」
「・・・・はい」
「だから、『ささやかな仕返し』をしても良いとおもうんですね」
「はい」
と影の笑みが深まる。
「まさかお前等・・・・っ!」

「チビM君っ!一緒にお散歩にいこう!!」
「嫌だぁあああ!!!それだけは勘弁してくれ!!」
「嫌?」
「ああ!絶対!特にミミニャミにだけは会いたくねえっ・・・・!!」
「うーん、じゃ、お散歩はやめよう」
「そ、そうか・・・。(ほっ」
「チビM君っ!一緒に買い物に行こう!!」
「散歩と同じだろうがァアアア!!!」

「普段の行いが悪いんだよ、MZD君」
「嫌だっ!!たのむ!!俺仮にも神だぞっ!!」
・・・・・・・ふっ
「おィイイイ!!なんだその笑い!腹立つ!」
「はいはい、だだこねてないでいきましょーねー
 観念しろお前は普段Sだが今はMだぜMよ!
ややこしいわ!!そういう一部にしか分からないネタは止めろ!
 いやだぁあああ!!」
いとも簡単に抱え上げられてしまうMZD
静かにしていればそこらのちびっ子と対してかわらないだろう。
怒り怒鳴っても、子供が癇癪を起こしているようにしか見えぬ
チビMもしまいには疲れ果て、すっかり黙り込んでしまった
これはこれで可愛い。

が、玄関まで来て気が付く。
「そういや影君、神がいなくて仕事平気?」
「神が居なければ出来ない大きな仕事はありませんしね」
どうぞゆっくりしてきてください、という影君。
どこか黒いのは気のせいだろう・・か?

「そういえば、なんでこの子小さくなってるの?」
「・・・・さぁ?」

・・・・・不自然に目をそらした影君を見て、冷や汗が流れた。
影君最近黒いわ・・・!!


・・・・影だけに?

黒影様御光臨である





「ね、どの服がいい?」
「・・・・・。」
現在2人は洋服店に居る。
と、いうのもチビMの着ている服が多少大きすぎる為だ
一応サイズが小さい物を着せているようだが、
これでは少々不格好である

は気に入った子供服をとってはチビMに当てる。
MZDは口を開かず不貞腐れている為、の良い着せ替え人形化としている

「・・・・なんか言いなさいよ〜。スカート買っちゃうよ?
 大丈夫、あんたなら似合うっ!」
チビMの頬を延ばしながらめぼしい服を漁る。
ぺちぺちと小さい手が叩いてくる。ううっ!か、可愛い・・・!

「あれ〜?じゃん」「あ、ホントだっ!」
チビMで遊んでいると、頭上から声がした
この声は・・・!!
「おーう、ミミ君にニャミ君じゃないですかっ!」
「ちっす!」「ハロ〜!」
チビMがびくりと震えた。ふふふ、どうしてやろうか
む、何やら好きな子をいじめるがきんちょの気持ちが理解出来るぞ。

「あれ?なに、この子」
ミミ君、チビMに気付きました!(中継)
チビM、再び震える。
「・・・・えーとね、MZDの親戚」
「!」
お、チビMがおどろいております!
何 私もそれほど鬼ではないのだよっ

「へ〜。お名前は〜?」
「・・・・・・・・・・・。」
困ってる困ってる
ん?こっちにむかってくるぞ・・・
・・・・なにやら足にぴっとりとくっつかれましたが
になついてるねー。可愛いっ!」
「あ、な、なんか人見知りするみたい〜あはは〜・・・」

げ・・・
激 プ リ
激プリです隊長っ!!(誰
な、なで回したい欲求に刈られました隊長っ!!
かんわい〜・・・・あああっちょっとコレ性格変わってない?MZD
「・・・ね、MZDとの子供ってことは」
「あり得ないから」
「(こ、怖いっ!!)・・・・えっと!、この子の服買ってたの?」
「・・! そうなんだよ〜。でも中々良いのが・・・」
「ねぇねぇ!私等が選んであげようかっ!?」
・・・・・・・・・輝いてるなぁ
チビMの視線が痛いよ。
ふむ・・・・
「そうっ!じゃあお願いしようかなっ」
「!!」
「わーい!」「やった!ね、これなんてどう!?」
お洋服選びが大好きなのよねこの子等。
こらこら、年上をそんなに睨むもんじゃありません、MZD
お、ミミニャミのオモチャになってますね
一生懸命こっちに逃げようとしてきます。可愛いね〜
だけどたのむからそのうる目なんとかして。襲うよ







つ、疲れた・・・・!!
現在公園であります
ミミニャミが異様にはりきり、買った服は結構な量。
何故か私も着せ替え人形化してしまった。恐るべしミミニャミ!
チビMには悪いことをしてしまったと思っている。・・・・・少し

疲れ果て、隣で座っている かと思えば
一点の方向にひたすら視線を送っております

「・・・・・・アイスクリーム屋?」
うんうん、と頷くチビM。
「食べる?」
「食べるっ!」
あ、喋った。無邪気で可愛いなぁ
・・・・・・・性格まで幼くなってないかい?
これはこれで良いが。グッジョブ!
「何味が良い?」
「チョコ」
「チョコか。んじゃ私はストロベリーにしようかな」
「とバナナとメロンとバニラとオレンジ!」
「一つにしなさい」

2人分の代金を渡して買いに行かせた。
わーわー。満面の笑み。かーーわーーいーー

って私の分はどうしたァアアア!!

チョコとストロベリーのダブル買ってきやがったコイツ
仕方が無いので一口貰いましたよ
だってそれ以上貰うと「ん!!」って嫌がるんだもの
さすがに私も我慢の限界?みたいな?

「ね、アンタいつから小ちゃくなったのよ」
「チョコと間違えてね、昔作った薬食べちゃった」
素直だねー。可愛いねー。そんなすぐ返答来るとは思わなかったよ
ていうか自業自得かい
・・・大きくなったらあんなわがままになるのね。
・・・・・・ん?ちょっとまて、これ教育し直したらどうだ?
私に忠実な神として!!弟として!
問題はいつ襲っちゃうかわからないってことだけどNE☆
うん、これいいよ!!

「なぁにマヌケなツラしてんだよバァカ」
「なっ!?」

ち、チビMの口調がっ!!
「ガラ悪くなってる!!お母さんそんな子に育てた覚えは無いわ!」
「誰がお母さんだ!俺もお前に育てられた覚えは無い!」
「じゃ、お姉さんで。私もお姉さんの方が良いな〜」
「そーいうことじゃなくてだな・・・」
いやいや、それよりも
「なんでアンタ戻ってんの 口調だけ アイスのせいかアイスの」
「そこを強調するなよ
 つーか、俺にもわかんねーって・・・
 あー、いらんこと喋りやがって・・・
 あああっ!にひっついて・・俺って・・・!!」
・・・色々思い出して来たようだ。自己嫌悪?
「まぁいいじゃないかね。可愛かったんだから」
「うるせー!」
「安心してちょうだいよ。ちゃんと写メっといたから
「何ィイイイ!!ちょっ!それ削除しろ!今すぐっ!」
「保護設定完了っと。」
「無視かァアアア!!」
「あー、ホラ、アイス食べないならよこしなさいよ」
そう言って一口頂く
・・・・オイ、なに固まってんだ。私の食べた後は嫌か
なんかしゃくに障るからアイス奪い取った。
睨むんじゃねー、もともとわしの金じゃ
「・・・・・・・。」
「何?どーしたのよアイスくらいで落ち込むな」
「・・・・っ・・・ひっく・・・・」
なななな、泣イターーー!!?

「ああっ!ホラごめん!返すからっ!ちょっと食べちゃったけど!」

差し出すと無言でかぶりつくチビM。わー。大っきいお口だねー
「・・・・いつのまにかチビM化かよ・・・」
口調が戻ったのでもうすぐ効果が切れるのかと思ったら・・・・
どうやら戻ったりまたチビ化したりするらしい。
ふむ、Mが食べたと言う薬は不良品なのだな。
「・・・・
「はい?」
ふいに背中を叩かれた
ふりかえれば・・・
「あ、六。」
げげげ、よりによって一番Mと険悪な六かい
ま、もとからMZDをいじめちゃる計画だったから良いけど
「何をしていたんだ?」
「・・・・MZDの親戚の子とお散歩〜〜」
「・・・・・そっくり、だな」
チビMをじろじろ見る六、どことなく視線が怖い
きっとアフロ効果がまだ続いているんだろう・・・・
「・・・・・・・まさかとはおもうが、お前とMZDは」
「できてませんから」
「びくっ!)そ、そうか(ほっ・・・」
・・・たしかに親子に見えないでも無いけどね
「六は公園に何しに来てたわけ?」
「散歩だ」
一緒だな。たしかにこんな良い天気だったら外に出たくなるだろうねっ!
ふと 前を見れば小太りのおばさんと小さな男の子がこちらに向かってくる。
おお、こちらの親子もお散歩のようですな

「こんにちわ〜」
「こんにちわ。良い天気ですね」
どっこいしょと腰掛ける親子。

「ええ、本当に良い天気。
 あなた方、家族でお散歩?
 いいわね〜。ウチの夫なんか日曜日なのに仕事で」
にこやかに話すご夫人、勘違いです
六と私は夫婦ではない
ほら、六がうろたえているだろう!
・・・・ちょっと可愛いな、六
「いや、俺は」
「ばーか」
・・・・・・・。
アイスを食べ終えたチビM、六に石を投げつけました
「・・・・・糞餓鬼」
六!男の子が泣いてる!ご夫人めっちゃ見てる!!

「う、うふふふふふふ」
「お、おほほほほほほ
 げっ元気なお子さんですねっ」
「ええ!おおお、夫も子供並で困っちゃいますわああ!!」
ぎこちないが互いに笑い合い、
なんとかこの空気から脱出を試みる。
オイッ!今子供なんだから!脳まで子供なんだから!
餓鬼相手にムキになるなよ六ーー!!
「ぱんだまにあ」
「・・・・・・。」
「かのじょができないぱんだまにあ」
「・・・・・・・・・・・・。」
「かのじょかできないぱんだまにあのばか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

どうしよう、激しく笑い出しそう・・・・・・!!
餓鬼のころからそんな言葉を覚えていたのねMZD
六が怖いけど面白いです
今笑いをこらえるのに必死です
六君も相手は子供だと必死に自分を抑えているんだよね
それをいいことにチビM毒舌大爆発

「かのじょができないぱんだまにあのあふろへあーのたんさいぼうばか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・斬って良いか」
ハッ!あはは・・って六!押さえて!相手は子供だから!! ぱっぱんだまにあ・・・!」
あ、あふろへあー発言が気に触ったようです!
もうだめだ!こらえきれねー!腹痛いっ・・・!!!
でもさ、本気で斬り掛かるのはやめてください。
あの親子も逃げたよ。構えるな構えるな!!

アフロヘアーか・・・あれは酷かった・・・
あんまり面白かったので写メ撮ってミミニャミに送ったよ
あの2人は情報流すの得意だからな・・・・
六は暫く外に出られなかっただろうな・・・・
私がミミニャミにメールしたこと、もちろん六は知りませぬ。
全部MZDのせいだとおもっているのサ!

あ、お、おもいだしたらまた笑いが・・・っ!!
私のケータイにまだあの写真入ってるんだよね

「ばーか ばーか」
「ミミニャミには泣く癖に木刀振り回す侍(六)は平気なのか糞餓鬼っ!!」
たのむからもう挑発するな!
六が本気で斬り掛かろうとするだろ!ていうかしてるだろ!
皆の憧れ六様が幼児殺害なんてシャレになんねー

こうなったら・・・!!
「六!!さっき買い物してたんだけどねっ!
 すんごく可愛いパンダグッズ見つけたの!
 六が喜ぶと思って買って来たんだけどねっ」
鞄に手を突っ込んでパンダのぬいぐるみを差しだす
えーい貢ぎ物贈り物作戦じゃ!
お!六、木刀にかけた手を放しました!

ゆっくりとこちらに視線を移していく。
よし!なんだか嬉しそうな雰囲気だぞ
「・・・・俺に、買って来たのか?」
「そう!可愛いよね!嬉しいよね!
 そうだこんな可愛いものですから家に帰ってじっくり観賞してなさいっ!
 それがいいよそうしようていうかそうして!!
六にパンダを持たせ回れ右。
さぁ、お家に帰って下さい私も帰るから!
いこうねーチビM。

チビMの口をガムテープで塞ぎ、抱え上げてBダッシュ(古
一目散にその場を離れた


「んっ!」
ちゅどーーん

なんとも可愛いかけ声(塞がれているためくぐもっているが)と共に
公園爆破しやがったコイツ(主に六付近)

あっ!そういや今朝も台所爆破したとか言ってなかったか!?
やばいやばいやばいやばい!
ちらりと振り向く。ちょちょちょ、直撃ーー!!
私が上げたパンダ君はしっかり守ってますそんなの守ってる場合かぱんだまにあ
後ろから「待ちやがれ糞餓鬼ィイイ!」とか聞こえてくるけど
幻聴と思ってスルーです。
今止まったら本当に殺人起こしかねない・・・・!!
ごめんよ六(+公園管理者)!今度いっぱいパンダグッズあげるね!

脳内で六に誓い、全力疾走でMZD宅へ向かう私だった


もうだめだ。MZDをいじめるはずが私が疲れています
何故?

今日は影君に全てを押し付けて帰りました。

翌日、小さくなる薬が切れ、
チビM時にやらかしたことを思い出し、悶え後始末に右往左往するMZDが見られました

後日↓
・と、思ったら薬は継続しているようで度々チビM化してます
・薬は完全処分したようです
・でも影君が持ってるのちょこっと見かけた
・六へいっぱいパンダグッズあげました
・お礼と、可愛い兎のぬいぐるみもらいました。超特大だよ!

終わり

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作:FROG
夢幻世界 管理人、幻作様へ捧ぐ
幻作様のみお好きに修正 編集 お持ち帰りその他諸々OK作品

六ファン様に土下座をします。
2006.12.6




<幻作の感想。>

ぎゃー!!こ、こんな素敵なものを頂いてしまってよろしいのでしょうか…!
鼻血が、鼻血が…!(汚)
子供化した神は本当に可愛らしいですねv 普段のギャップがたまりません。(ぜーはー)
それプラス、六の男らしい所やパンダマニアな所が素敵すぎてなりません。

何だか異常に夢主への感情移入ができた作品でした。
FROG様本当にありがとうございます!!



2013.10追記>>背景画像直リンだったのですが、リンク先が行方不明だったのでこちらで差し替えさせて頂きました。勝手にすいません;;